公益社団法人日本顕微鏡学会 第76回学術講演会

 

講演プログラム

チュートリアル

顕微鏡の若手研究者を対象に、顕微鏡の利用の仕方やサンプルの調整法、顕微鏡像やスペクトルの解析法などをわかりやすく解説するチュートリアルセッションを開催致します。
(会員、非会員に関わらず、学生の方がこのセッションのみを受講する場合は学会参加登録の必要はありません。)

1.装置・材料系チュートリアル

日時:
2020年5月25日(月)18:00 ~19:30
会場:
大阪国際交流センター 2F「さくら西」
テーマ:
「TEMとSTEM、どう使い分ける?」
講師:
佐藤 和久(大阪大学)
橋本 隆仁(日立ハイテクノロジーズ)

2.医学・生物系チュートリアル

日時:
2020年5月25 日(月)18:00 ~ 19:30
会場:
大阪国際交流センター2F「さくら東」
テーマ:
「 初心者でも安心!動画を活用した電顕試料作製・解析技術のご紹介」
オーガナイザー・講師:
澤口 朗(宮崎大学)
豊岡 公徳(理化学研究所)

シンポジウムセッション

S-1

【テーマ】

日本–カナダ 二国間交流シンポジウム
―干渉・位相計測技術と分析技術の融合を目指して―
Japan–Canada Joint Symposium between JSM (Japanese Society of Microscopy) and MSC (Microscopy Society of Canada) “Development and applications of the methods combining interference/phase measurement techniques and analytic techniques”

【オーガナイザー】

森 茂生(大阪府立大学)
原田 研(理化学研究所)
岡田 康志(理化学研究所)
Marek Malac (National Research Council Canada and University of Alberta)
Misa Hayashida (National Research Council Canada)

【セッションの概要】

日本顕微鏡学会(Japanese Society of Microscopy:JSM)とカナダ顕微鏡学会(Microscopy Society of Canada: MSC)との相互交流を深めるため、二国間交流シンポジウムを開催します。本シンポジウムでは、環境顕微鏡法や分光法、そして試料作製法なども含めた、広い観点から、日本の得意とする干渉・位相計測技術と、カナダの得意とする分析技術の融合を目指します。また、カナダ側研究者には、すべての顕微鏡技法に共通の課題である照射損傷についても紹介いただき、精度の高い計測、分析技術の問題点に関して検討を行います。
なお、本シンポジウムには若手研究者にも積極的に加わっていただき、同世代の海外若手研究者との交流の場を提供し、国際的見地を有した若手研究者の育成を目指しています。

【講演予定者】

カナダ側、日本側、各7名程度。
(両国の若手研究者の指定講演も含める。)

【発表構成】

招待講演、指定講演

S-2

【テーマ】

超高圧電子顕微鏡法の新展開

【オーガナイザー】

佐藤 和久(大阪大学)
山﨑 順(大阪大学)

【セッションの概要】

超高圧電子顕微鏡の特徴は高い透過能と空間分解能であり、極厚膜試料の観察や高分解能観察において優れた効用を発揮することから、半世紀以上にわたり材料系・生物系を含めさまざまな学術分野において活用されてきた。特に種々の外場(温度、応力、電場、磁場)を利用したユニークなその場観察や、高エネルギー電子と物質との相互作用に着目した研究により、多くの有用な知見が得られてきた。近年、超高圧電子顕微鏡において、環境ステージの開発、走査透過像の分解能向上、電子直接検出型カメラの実装、クライオステージの開発など長足の進歩が見られることから、シンポジウムを企画するに至った。本シンポジウムでは、超高圧電子顕微鏡を活用した最新の研究事例と今後の展望についてご講演頂く予定である。医学生物学系から材料科学まで幅広い分野において展開される超高圧電子顕微鏡法について多角的に議論できる場を提供し、顕微鏡技術のさらなる発展を促したい。

【講演予定者】

柴山 環樹(北海道大学)
谷垣 俊明(日立製作所)
武藤 俊介(名古屋大学)
村田 和義(生理研)
保田 英洋(大阪大学)
荒河 一渡(島根大学)
松村 晶(九州大学)
他、調整中

【発表構成】

指定講演、一般講演

S-3

【テーマ】

ラマン散乱顕微鏡が拓く新しいイメージング:材料からバイオメディカル応用まで

【オーガナイザー】

藤田 克昌(大阪大学)
原田 義規(京都府立医科大学)

【セッションの概要】

近年、ラマン散乱の強力な分析能力と光学顕微鏡の高い空間分解能を組み合わせた、ラマン散乱分光分析イメージングについて技術開発と応用研究が進んでいます。試料内の分子や結晶格子の振動を無標識で分析し、無染色の試料であっても内部の物質を分析しながらそれらの空間分布を可視化できるため、材料工学、構造化学から生物学、医学まで幅広い応用が広がっています。本シンポジウムでは、ラマン顕微鏡の技術開発、および応用研究について第一線の研究者を大学、研究所、企業から集め、ラマン散乱顕微鏡技術を中心として展開される新しい科学や産業応用について議論する予定です。

【講演予定者】

原田 義規(京都府立医科大学)
小関 泰之(東京大学)
森山 圭(就実大学)
熊本 康昭(大阪大学)
小林 実(ナノフォトン)

【発表構成】

招待講演、指定講演

S-4

【テーマ】

クライオ電子線トモグラフィーによる構造生物学と細胞生物学の融合

【オーガナイザー】

仁田 亮(神戸大学)
青山 一弘( サーモフィッシャーサイエンティフィック、大阪大学)

【セッションの概要】

クライオ電子顕微鏡を用いた分子構造解析は、近年のいわゆる“分解能革命”により飛躍的に分解能が向上し、単粒子解析法を用いることによって、生体高分子やその複合体の立体構造を原子が見える分解能で明らかにすることが可能となってきた。一方で、細胞内ではたらく分子には構造のゆらぎがあり、また分子が集まってできた超分子複合体や細胞内小器官などは、ひとつひとつが少しずつ形を異にする。このような不均一な分子群~小器官の構造解析には、クライオ電子線トモグラフィー法(クライオET)を用いることが有効であり、細胞内やオルガネラ内の分子の「かたち」を高い分解能で解明することができる。それ故、クライオETは、構造生物学と細胞生物学のギャップを埋め、機能している生体高分子やその複合体の高分解能構造動態を明らかにすることを通じて、その生理および病理機構を理解することが期待されている。本シンポジウムでは、第一線で活躍するクライオ電顕のスペシャリストにご参集いただき、クライオ電子線トモグラフィー法の現状をご紹介するとともに今後の展望について議論する。

【講演予定者】

光岡 薫(大阪大学)
今崎 剛(神戸大学)
今井 洋(大阪大学)
藤田 陽子(京都大学)
小田 賢幸(山梨大学)
重松 秀樹(理化学研究所)

【発表構成】

招待講演、指定講演

S-5

【テーマ】

CLEM(相関顕微鏡法)現状と将来展望
Current status and future view of CLEM

【オーガナイザー】

伊藤 喜子(ライカマイクロシステムズ)
宮澤 淳夫(兵庫県立大学)

【セッションの概要】

生命現象とその分子メカニズムの解明のためには、細胞レベルの光学顕微鏡解析と分子レベルの高分解能な電子顕微鏡解析を融合させた相関顕微鏡法が重要な知見をもたらすと期待されている。
電子顕微鏡には透過型(TEM)と走査型(SEM)の2つのタイプがあるため、相関顕微鏡法としても、光顕-SEMの相関観察法(CLEM-SEM)と、光顕-TEMの相関観察法(CLEM-TEM)に大別される。これまで、光学顕微鏡で観察した試料を電子顕微鏡で観察できるようにする試料調製が比較的容易なこと、ならびに観察対象の局在場所を相関させる上で光学顕微鏡と同程度の視野面積を電子顕微鏡で確保できることから、CLEM-SEMが広く用いられてきた。一方、分子レベルの解析にはCLEM-TEMによる高分解能な情報が必要とされている。そこで、本シンポジウムではCLEMTEMならびにCLEM-SEMに関して、細胞レベルから分子レベルの解析の融合を目指した、新たな装置開発、ならびに試料観察法や試料調製法を提案する。

【講演予定者】

(日本電子)
(日立ハイテクノロジーズ)
(サーモフィッシャーサイエンティフィック)
(カールツァイス)
石原 あゆみ(ライカマイクロシステムズ)
(調整中)

【発表構成】

指定講演、一般講演

S-6

【テーマ】

Next generation of cryo-SEM

【オーガナイザー】

宮澤 淳夫(兵庫県立大学)
西野 有里(兵庫県立大学)

【セッションの概要】

クライオSEMは、生体組織や培養細胞などの生物系試料ばかりでなく、乳製品をはじめとしたエマルション、インクをはじめとしたスラリーなどの、水や有機溶媒を主要構成成分とする液体試料、ゲル状試料に関して、化学固定をすることなく、流動性のある試料を非晶質凍結させることにより、液体を含んだままの状態の微細構造を、電子線ダメージを抑えた状態で観察できる非常に有用な手法である。また、化学固定や脱水、樹脂包埋、乾燥などのコンベショナルな試料調製過程で失われてしまう様々な可溶性物質を保存することも可能である。バイオ系からマテリアル系まで、非常に幅広い分野において液体を含む試料の微細構造観察に関して、今後の発展が大いに期待されている。そこで本シンポジウムでは、最新の研究状況と、今後に期待されること、および解決すべき問題点について建設的な議論を行い、本研究手法の活性化を図る。

【講演予定者】

西野 有里(兵庫県立大学)
神垣 隆道(雪印メグミルク)
福田 善之(東京大学)
高橋 真一(日産自動車)
丸山 秀夫(カネカテクノリサーチ)
長澤 忠広(ライカマイクロシステムズ)
島貫 純一(日産アーク)、他

【発表構成】

招待講演、指定講演、一般講演

S-7

【テーマ】

単粒子クライオ電子顕微鏡法の応用展開

【オーガナイザー】

安永 卓生(九州工業大学)
光岡 薫(大阪大学)

【セッションの概要】

現在、単粒子クライオ電子顕微鏡(電顕)法は、X線結晶構造解析やNMRと並ぶ、生体高分子やその複合体の高分解能構造解析手法として確立し、その応用展開が進んでいる。その結果、今まで電顕を利用したことがない研究者が電顕を利用する機会が増えており、また、電顕学者も他の分野の研究者と共同研究として研究を進める必要が増している。そのような状況の中で、クライオ電顕画像を分野外の研究者にも解析できるようにするプログラム開発や、適切なクライオ電顕試料を作製するための生化学実験など、分野を跨いだ研究協力が重要となっている。そこで、このセッションでは、分野間の協力が重要な部分に着目して、その研究の現状を報告いただき、今後の展望を議論する場を提供したい。

【講演予定者】

津下 英明(京都産業大学)
横山 謙( 京都産業大学)
岡崎 圭一(分子科学研究所)
安永 卓生(九州工業大学)、他

【発表構成】

招待講演、指定講演、一般講演

S-8

【テーマ】

SEM画像の定量化に向けた各種技術との融合

【オーガナイザー】

多持 隆一郎( 日立ハイテクフィールディング)
村田 薫( サーモフィッシャーサイエンティフィック)

【セッションの概要】

SEMは焦点深度が深く、立体的に試料構造を捉えることができることから、様々な分野で広く普及してきた。近年、各種計測装置の測定結果と材料、デバイスの特性を関連付け、開発の効率向上を実現することが進められている。SEM画像は表面の組成や電位などによってコントラストが形成されることから、観察対象試料との特性と関連させることが容易ある。しかし、SEM画像と試料特性を関連付けるためには、膨大な画像が必要となり、最近ではAIなどによる解析も実施されている。本シンポジウムでは、デジタル社会に貢献するSEM画像の定量化に向け取り組まれている方々よりその取り組みについて紹介頂きながら、議論を展開したい。

【講演予定者】

多持 隆一郎(日立ハイテクフィールディング)
赤井 諭(日本電子)
加藤 光郎(日東分析センター)
熊谷 和博(産業技術総合研究所)
馬場 則男(工学院大学)
谷本 明佳(日立製作所) 他調整中

【発表構成】

招待講演、指定講演

S-9

【テーマ】

顕微鏡を軸にした関連装置の融合化

【オーガナイザー】

  谷口 佳史(日立ハイテクノロジーズ)   近藤 行人(日本電子)

【セッションの概要】

電子顕微鏡は、ものを見る・測る・分析するための有力なツールとして発展してきた。収差補正器を搭載することによりその分解能はオングストロームの壁を越え、分析機器の高感度化により単原子をも可視化・元素分析できる時代となった。
しかしながら、これらのデータは特別に調整された試料であったり、特殊な環境であったりする場合が多い。また、より簡便に試料を作製するためにSEMとFIBを融合化したり、より有効な知見を得るために別の分析機器や関連装置を用いて得られたデータと突き合わせたりする試みもなされている。本シンポジウムでは、電子顕微鏡と関連装置を融合する新たな取り組みや最新のアプリデータを募り、今後の展開や技術動向について議論することをねらいとする。

【講演予定者】

堀内 伸(産業技術総合研究所)
村田 薫( サーモフィッシャーサイエンティフィック)
西山 裕介(理化学研究所)
大久保 忠勝(物質・材料研究機構)
村田 英一(名城大学)
他調整中

【発表構成】

招待講演、指定講演、一般講演

S-10

【テーマ】

顕微鏡法と機械学習の融合によるシナジェティック・マイクロスコピー

【オーガナイザー】

馬場 則男(工学院大学)
村上 恭和(九州大学)

【セッションの概要】

昨今、特にFIB/SEM, array tomography, の連続断層像におけるセグメンテーションの機械学習による改善が急速に推進し関心を集めて来た。しかし、本来、顕微鏡という画像取得・解析が主体の装置において、顕微鏡はロボットビジョンのまさに重要な対象の一つであり、セグメンテーションに限らず幅広い応用が盛んに行われていることは間違いない。以前は装置の操作と撮影を専門オペレータに頼っていたが、それが変わりつつある。画像取得側である電子光学制御系の強化学習の例や解析側の自動視野探索・自動解析といった広がりである。さらに、そこで得られたビッグデータを用いた、生物/非生物の専門分野固有の研究目的の機械学習も行われている。本セッションでは、こうした広がりの可能性や問題点などについて議論したい。

【講演予定者】

足立 吉隆(名古屋大学)
鷲尾 隆(大阪大学)他調整中

【発表構成】

招待講演、指定講演、一般講演

S-11

【テーマ】

シナジェティックSPM
―計測原理の相乗効果をめざして―

【オーガナイザー】

井藤 浩志(産業技術総合研究所)
富取 正彦(北陸先端科学技術大学院大学)

【セッションの概要】

走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、表面の原子・分子を個々に観察し、その物性を評価し、さらには力学的操作を実現できる手法として発展してきた。また、動作環境も真空以外に、液中やガス雰囲気での動作が実証され、多くの材料・現象に対してナノスケール・原子スケールの新しい知見が獲得されてきた。一方、その発展の歴史のなかで、他の顕微鏡法など(SEMやTEM、光学分光法)との組み合わせも当然のように精力的に進められてきた。本シンポジウムでは、SPMの発展の新たな地平を見通すため、他の手法との単なる同居ではない複合化の芽、すなわちシナジェティックな側面に光を当てたい。例えば、SPMを支えている動作の原理が他の手法に取り入れられることにより、あるいは他の手法の原理がSPMに取り入れられることにより、未踏な領域へ切り拓こうとしている研究の萌芽を特集したい。

【講演予定者】

大塚 洋一(大阪大学)
小林 圭(京都大学)
相蘇 亨(日立ハイテクノロジーズ)
他調整中

【発表構成】

招待講演、指定講演、一般講演

S-12

【テーマ】

超解像蛍光イメージングを成功させるコツ

【オーガナイザー】

平岡 泰(大阪大学)
玉田 洋介(宇都宮大学)

【セッションの概要】

細胞の機能を理解する上で、生体分子の動態を観ることは、重要な情報を提供する。GFPの出現により、生細胞蛍光イメージングが爆発的に普及したが、回折限界のために分解能が制約されていた。超解像蛍光顕微鏡が出現し、解像度が回折限界を超えたことにより、細胞生物学は大きな飛躍を迎えようとしている。しかしながら、回折限界を越えたことによって、従来は問題にならなかった課題が顕在化している。例えば、光学系に残存する収差の影響や試料自体の屈折率が生み出す収差などである。要求される解像度が上がるにつれ、収差の影響はよりシビアになる。超解像顕微鏡の性能を最大限に発揮するためには、このような問題を理解し、適切にコントロールすることが必要である。本シンポジウムでは、このような問題の克服に努めている演者を招き、具体的な問題を俎上にあげ、超解像蛍光イメージングを成功させるために必要な特別な留意点を共有したい。

【講演予定者】

平岡 泰(大阪大学)
松田 厚志(情報通信研究機構)
玉田 洋介(宇都宮大学)、他

【発表構成】

招待講演、指定講演