プログラム

論文ページは学会員、大会参加者、閲覧申込者の方がご覧いただけます。

教育講演（EL）

セッション別論文ページダウンロード

教育講演01

EL01

論文ページ

オンデマンド配信のみ

誰一人取り残さない教育とは
多層指導モデルMIMをもとに考える

講師：海津亜希子
明治学院大学

概要

本講演では，「誰一人取り残さない教育」を遂げるために何ができるかを多層指導モデルMIMの実践を通して真剣に考える。時に，クラスの子どもたち皆が「わかった」「楽しかった」と心が満たされる授業とは，理想論であって，実現は難しいといった声を耳にする。確かにそれも事実であろう。しかし果たしてそれらは理想論であって，実現は不可能なのであろうか。そのことを今一度考えたい。そして，それぞれの人が「誰一人取り残さない教育」とはどういう姿かをイメージし，そのための一歩を明るく踏み出せる機会としたい。

【略歴】
東京学芸大学で博士（教育学）号を取得、その後、国立特別支援教育総合研究所で研究員として勤務。途中、テキサス大学オースティン校へ客員研究員として赴任。2022年度より明治学院大学心理学部教育発達学科教授。現LD学会理事長。通常の学級に在籍する子どもの学習のつまずきの早期把握・早期支援，学習障害（ＬＤ）のある子どものアセスメントと指導・支援，教師や教育行政機関と協働しての科学的根拠に基づいた教育実践・教育政策の実現等を研究テーマとしている。

教育講演02

EL02

論文ページ

オンデマンド配信のみ

学び方を学ぶ
―子どものエイジェンシーとウェルビーイングを高めるために―

講師：涌井恵
白百合女子大学

概要

近年「学び方を学ぶ（Learning to Learn）」の重要性が増している。本能力は単なる学習技術ではなく、生涯学習のコンピテンシーであり、学習者の主体性・意欲・自信や社会的ウェルビーイングに直結する。Hautamäkiら（2002）やEuropean Parliament and the Council (2006)の定義では認知・情意的要素を含む包括的能力とされる。OECD(2019)やGardner(2019)は、学習者エイジェンシーを通じ個人の目的意識を公共善に結びつける意義を指摘している。教育実践では、多元的評価と、自律的かつ協働的に学び続ける力の育成が求められるだろう。

【略歴】
白百合女子大学人間総合学部発達心理学科准教授。元国立特別支援教育総合研究所主任研究員。

教育講演03

EL03

論文ページ

オンデマンド配信のみ

心理教育的アセスメントの現在地

講師：小林玄
東京学芸大学

概要

特別支援教育が開始され20年近くが経った。その間、発達障害児又は発達障害様の困難さを呈する子どもへの教育支援の必要性が周知された。それとともに、検査を用いたアセスメントが、学校現場に徐々に浸透してきた。しかし、教育現場における検査結果の活用は、まだ充分とは言えない。理論に準拠したWISC-Ⅴ等で得られる情報や心理職と教育職の連携に触れながら、心理教育的アセスメントの現在地について解説する。

教育講演04

EL04

論文ページ

オンデマンド配信のみ

発達性読み書き障害の背景とアセスメントに基づくサポート

講師：宇野彰
NPO法人LD・Dyslexiaセンター

概要

世間での発達性読み書き障害に関するよくある間違った理解について述べる。大脳機能の問題であり目（視機能）の問題では生じない。その大脳機能の問題は認知機能の弱さとして心理検査によって把握することが可能である。一方、読み書きの習得度は、ひらがな、カタカナ、漢字に関して、それぞれ音読と書字別に評価する客観的な評価が必要である。ASDやADHDの評価法とは大きく異なる点の一つである。このようなアセスメントの結果に基づき合理的配慮が実施される。音読速度が遅ければ試験時間の延長、ひらがな、カタカナは完璧だが漢字習得に困難を示す場合には、問題文の漢字へのルビ振り、解答を漢字で書かなくても減点しないなどの支援につなげることが可能である。

【略歴】
言語聴覚士、医学博士。江戸川病院リハビリテーション科科長代理兼言語室室長、カリフォルニア大学デイビス校神経生理学教室客員研究員、国立精神神経センター精神保健研究所室長、筑波大学教授を経て現在NPO法人LD・Dyslexiaセンター会長。ARWA（Association of Reading and Writing in Asia）のfounder. 近年は発達性ディスレクシアに関する専門的教員の養成を各地で実施している。IDA（International Dyslexia Association）の‘DYSLEXIA’の定義改訂に関するアドバイザーグループ。

教育講演05

EL05

論文ページ

オンデマンド配信のみ

ディスレクシアの理解と支援

講師：石坂郁代
北里大学医療衛生学部

概要

発達性ディスレクシア（読み障害）は，文字を読むことの苦手さが日常生活や学修上の困難を引き起こしている場合を言います。原因は文字を音と結び付けること，つまり音を想起することが遅かったり誤ったりすることにあります。先生方はまずは児童生徒の読みの苦手さに気づくこと，そして的確なアセスメント（評価）をすることが大切です。指導支援は，読みの指導はもちろんのこと，それに加えて児童生徒の将来を見通しながら，自尊心を育み，自己理解とセルフアドボカシーの力を身に付ける共感的支援が求められます。

【略歴】
言語聴覚士。博士（教育学）。東北厚生年金病院（現東北医科薬科大学病院）言語心理部，国立大学法人福岡教育大学特別支援教育教員養成課程教授，北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科言語聴覚療法学専攻教授。現在非常勤講師。

教育講演06

EL06

論文ページ

オンデマンド配信のみ

感覚過敏と感覚鈍麻

講師：井手正和
国立障害者リハビリテーションセンター研究所

概要

自閉スペクトラム症（ASD）者の多くは感覚過敏や感覚鈍麻といった問題を抱えている。これらの研究は未だ十分ではない現状であるため、感覚の個人差の背景にあるメカニズムを解明する必要がある。我々はASD者が刺激を処理する際の時間的精度が感覚過敏と結びついていることを見出した。更に、時間処理に関わる脳の部位に関して、神経活動の抑制に関わるGABAの濃度が低下しているほど感覚過敏が強かった。感覚鈍麻に関しては、前頭葉の抑制機能のバランス不全との関係が推測され、新規な刺激を受けた際に適切に注意を配分できないことが関わる可能性がある。以上の知見に基づき、ASDの感覚について科学的視点を提供することが本講演の目的である。

【略歴】
国立障害者リハビリテーションセンター研究所脳機能系障害研究部研究員。立教大学大学院現代心理学研究科博士課程後期課程修了。博士（心理学）。国立障害者リハビリテーションセンター研究所脳機能系障害研究部流動研究員、日本学術振興会特別研究員PDなどを経て、現職。専門は実験心理学、認知神経科学。2014年度よりASD者を対象とした知覚の研究を開始し、MRIによる非侵襲脳機能計測手法を取り入れることでその神経基盤の解明を目指している。主な著書に「科学から理解する自閉スペクトラム症の感覚世界」（金子書房, 2022）、「発達障害の人には世界がどう見えるのか」（共著, SBクリエイティブ, 2022）など。

教育講演07

EL07

論文ページ

オンデマンド配信のみ

ICT活用による支援アプリ・ソフト・AI
合理的配慮におけるICTの可能性

講師：高松崇
NPO法人支援機器普及促進協会、京都市教育委員会　総合育成支援課

概要

読み書き困難や筆算が苦手、記憶することが難しいといった子どもたちの多様な困りごとに対して、ICT機器（特にタブレット端末）の活用が叫ばれるようになって久しくなりました。しかし、実際の現場では活用がまだ十分に進んでいないのが実情です。今回は「活用しているが成果につながっていないケース」に注目したい。　例えば、「読み書きが遅いからタブレット」という典型的な支援が、本当に当事者の困り事を解決しているのか。キーボード入力が手書きより遅い、音声読み上げだけでは内容が理解できない、などのケースにおいて、どのような観点で支援を見直し、ICTを活用していけばよいのかを述べてみる。

【略歴】
1986年関西大学経済学部卒業
1986年〜2005年　民間企業での社内SE・経理・財務
2006年〜福祉教育ITコーディネーターmemis 創業
2011年～NPO法人支援機器普及促進協会設立
2014年〜京都市教育委員会総合育成支援課専門主事
2015年～京都府特別支援教育京都府専門家チーム外部アドバイザー
2019年～2021年滋賀県教育委員会特別支援教育ICT活用PJトータルアドバイザー
2024年～（株）アットスクール ICTスーパーバイザー
2015年〜長岡京市社会教育委員
その他
京都市携帯電話市民インストラクター
京都市地域若者サポーター（引きこもり支援）
京都府教育委員会社会教育委員(任期終了)

教育講演08

EL08

論文ページ

オンデマンド配信のみ

スペシャル・インタレストー特別な興味に基づくコミュニケーション支援－

講師：藤野博
東京学芸大学

概要

本講演では、主に自閉スペクトラム症（Autism Spectrum Disorder，ASD）の子どもたちに対する特別な興味（Special Interests）に基づくコミュニケーション支援について近年の研究を概観し、支援例を紹介する。

【略歴】
東京学芸大学教授（教職大学院・教育実践創成講座）
東北大学大学院教育学研究科博士前期課程修了。博士（教育学）。専門分野はコミュニケーション障害学。
川崎医療福祉大学専任講師、東京学芸大学専任講師、同大学助教授・准教授を経て現職。言語聴覚士。公認心理師。特別支援教育士スーパーバイザー。臨床発達心理士スーパーバイザー。
主な著書に『自閉症のある子どもへの言語・コミュニケーションの指導と支援』（明治図書）『絵でわかるなぜなぜ会話ルールブック』（合同出版）『発達障害の子の「会話力」を楽しく育てる本』（監修，講談社）など。

教育講演09

EL09

論文ページ

オンデマンド配信のみ

青年期・成人期における発達障害者支援
修学からキャリア・就業支援まで

講師：佐々木銀河
筑波大学人間系

概要

青年期・成人期の発達障害者が学業や就業で直面する社会的障壁（バリア）と支援策を概観する。障害者差別解消法を踏まえ、受験・在学中の合理的配慮を解説し、環境の整備と自助スキル育成を組み込んだ階層的支援モデルを紹介する。また、発達障害のある就業者を対象とした調査結果を紹介しながら、就業時の課題や方策を述べる。最後に、講演者が取り組んでいる青年期・成人期のすべての方向けにセルフヘルプ情報を提供するLINEチャットボットの研究開発・社会実装プロジェクトを紹介する。本講演を通して、発達障害の診断の有無を超えて、誰もが必要な資源にアクセスし、自己実現できる社会の実現に向けて、どのような取り組みが必要かを一緒に考えていきたい。

【略歴】
筑波大学人間系准教授。博士（障害科学）。公認心理師、臨床発達心理士。専門は、発達障害、応用行動分析学、障害学生支援。筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局業務推進マネージャーとして、筑波大学の障害学生支援に関するマネジメント業務に携わっている。また、発達障害の診断や傾向のある高校生・大学生・社会人の支援に関する研究活動を進めている。令和４年度科学技術分野における文部科学大臣表彰科学技術賞（理解増進部門）受賞。主な著書：「発達障害のある大学生のアセスメント」（金子書房：編著）、「ヒトはそれを『発達障害』と名づけました」（金子書房：編・解説）、「よくわかる！大学における障害学生支援〜こんなときどうする？〜」（ジアース教育新社：分担執筆）

教育講演10

EL10

論文ページ

オンデマンド配信のみ

発達障害と併存症・二次障害への理解と対応

講師：吉川徹
愛知県西三河福祉相談センター

概要

発達障害における「二次障害」と「併存症」の理解と対応について論じる。二次障害は生得的要因と環境の相互作用により生じる自然な経過の一部であり、完全回避は困難だが、対処しやすい形にしていくことが重要である。精神医学的併存症の治療は非併存例とおおむね同様だが、リハビリテーションの目標設定や薬物投与法に配慮が必要である。それ以外の「二次障害」については、能力評価から生活の質評価への転換、行動的QOLの向上を目指した支援が求められる。支援者は「出発点の多様性」より「ゴールの多様性」を認め、それぞれに「似合う暮らし方」を志向することが手堅い支援に繋がる。

＜現職＞
愛知県西三河福祉相談センター　児童専門監、あいち発達障害者支援センター　副センター長、愛知県医療療育総合センター中央病院医師等を兼務。
＜資格等＞
子どものこころ専門医・指導医、日本児童青年精神医学会認定医・指導医、日本専門医機構精神科専門医・指導医。
日本児童青年精神医学会理事、強度行動障害医療学会副代表理事、日本自閉スペクトラム症スペクトラム学会副会長　ほか。
＜著書・編著書＞
吉川徹著『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち: 子どもが社会から孤立しないために』合同出版 2021
日詰正文・吉川徹・樋端佑樹編『対話から始める脱!強度行動障害』日本評論社2022　ほか

教育講演11

EL11

論文ページ

オンデマンド配信のみ

子どもたちとSNSやゲームの世界

講師：関正樹
大湫病院

概要

現代の子どもたちは、SNSやオンラインゲームを通じて、かつての空き地や秘密基地のような、仲間と自由に関われる遊び場や居場所としての意味を見出している。一方で、現代の思春期はかつてよりずっと同調性が求められており、それに疲れた子どもたちがオンラインの世界に傾倒する子どもも少なくない。しかし、彼らにとってもオンラインの世界は居場所として機能している。不登校の回復過程は居場所の回復とも言え、私たちはその世界を大切なものとして扱い、そこから子どもにもたらされるものに耳を傾けなければ、彼らの居場所は私たちのところまで広がらないだろう。

【略歴】
平成15年福井医科大学卒業
岐阜大学医学部附属病院精神科、土岐市立総合病院精神科を経て、平成19年より大湫病院に勤務。
地域の児童精神科医として発達障害や不登校の診療にあたっている

教育講演12

EL12

論文ページ

オンデマンド配信のみ

発達障害のある子ども・若者の余暇活動支援

講師：加藤浩平
金子総合研究所、東京学芸大学

概要

自閉スペクトラム症（ASD）やその傾向のある子どもたちにとって、余暇活動は生活の質（QOL）やメンタルヘルスの向上に欠かせない社会参加や自己実現の基盤である。しかし余暇活動支援は学習支援などと比較して後回しにされ易い。これまでの発表者らの研究では、ASDの「特別な興味」や主体性を尊重する小グループ型の余暇活動がASD児らのQOLを高める効果を示している。発表者はテーブルトーク・ロールプレイングゲーム（TRPG）などを用いた余暇活動の実践を行ってきており、活動を通じてQOLの向上などの研究結果も報告している。本講演では家庭や学校とも異なる「サードプレイス」としての余暇活動の意義について紹介する。

【略歴】
金子総合研究所所長、東京学芸大学研究員/非常勤講師、編集者。博士（教育学）。専門は思春期・青年期の自閉スペクトラム症（ASD）やその傾向のある子どもたちのコミュニケーション支援と余暇活動支援。編集者として心理・教育の専門書の企画・編集に携わるいっぽう、テーブルトーク・ロールプレイングゲーム（TRPG）などを通じた「コミュニケーションを楽しむ余暇活動」の研究と実践に取り組んでいる。著書に、『発達障害のある子ども・若者の余暇活動支援』（金子書房，2021）、『〈自閉症学〉のすすめ』（ミネルヴァ書房，2019）、『自閉スペクトラムの発達科学』（新曜社，2018）など。

教育講演13

EL13

論文ページ

オンデマンド配信のみ

教科学習の土台となる遊びやことばの支援
～DLD／SLIという概念やことばの困難と支援の課題～

講師：寺田奈々
ことばの相談室ことり

概要

小学校入学を機に始まる教科学習では、語彙や文法、音韻認識などのことばの力が教科学習の基盤となる。音読や指示理解、板書の写し取りに困難を示す子どもには、ことばの発達の視点や支援が必要な場合がある。幼児期には絵本の読み聞かせやごっこ遊びなど、楽しみながら言語を育む活動が学習の準備となる。DLD（発達性言語障害）など、ことばに課題を抱える子どもたちへの理解と支援体制の整備が重要である。制度のはざまにいる子にも目を向け、学びの機会から取り残されない支援が求められる。
【略歴】
言語聴覚士（げんごちょうかくし）。ことばの相談室ことり主宰。相談室は熊本と東京に拠点を持ち、言語聴覚士がマンツーマンでことばの遅れ、構音障害、吃音、読み書きの困難などの相談・指導に対応している。「コトリドリル」など家庭用教材の開発・監修や、著書『0〜4歳ことばをひきだす親子あそび』（小学館・2022年）などの執筆も行う。慶応義塾大学文学部人文社会学科卒業、日本福祉大学中央福祉専門学校言語聴覚士科卒業。

プログラム

教育講演（EL）

教育講演01

EL01 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演02

EL02 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演03

EL03 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演04

EL04 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演05

EL05 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演06

EL06 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演07

EL07 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演08

EL08 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演09

EL09 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演10

EL10 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演11

EL11 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演12

EL12 論文ページ

オンデマンド配信のみ

教育講演13

EL13 論文ページ

オンデマンド配信のみ

ご利用環境についてSystem Requirements

推奨OSおよびブラウザ

インターネット環境

Cookie（クッキー）

Javascript（ジャバ・スクリプト）

Operating systems and Browsers

Cookie

Javascript

EL01

論文ページ

EL02

論文ページ

EL03

論文ページ

EL04

論文ページ

EL05

論文ページ

EL06

論文ページ

EL07

論文ページ

EL08

論文ページ

EL09

論文ページ

EL10

論文ページ

EL11

論文ページ

EL12

論文ページ

EL13

論文ページ

ご利用環境について
System Requirements