日本パーソナリティ心理学会 第31回大会

大会関係の主な企画と催し

大会の主な企画

■特別講演(大会準備委員会・経常的研究交流委員会共同企画)

「DV加害者のパーソナリティと変容」

講演者:
高野 嘉之(プリンスエドワードアイランド大学)
司会者:
松田 英子(東洋大学)・田中 麻未(千葉大学)

本講演は、DV加害者臨床におけるDV加害者のパーソナリティの概念と変容について考察する。DV加害者臨床とパーソナリティについての歴史は長く深く、また介入法を考える上でもパーソナリティは重要な要素の一つである。1979年頃には、暴力・虐待をする加害者を正確に見極める類型研究へと発展したが、これらの重要な研究貢献の意図に反して、問題の視点が加害男性の持つ性質や人格構造に向けられ、逆に「加害者は果たして変われるのか?」という行き詰まった議論になっていく。その後、北米ではナラティブセラピーの視点が取り入れられ、パーソナリティという概念を脱構築化し、より個人の主体性、責任、選択に注目するようになった。しかし近年になり、愛着やトラウマインフォームドを中心にしたセラピーが推奨され、パーソナリティの概念が再度介入構造に取り入れられてきている。またDV加害者臨床では実際の暴力のリスクを査定した上で、リスクマネジメントを行う必要があり、この点でも加害者の人格障害についてはリスクを高める因子としてあげられており、パーソナリティの概念は重要な介入的要素とされている。こうした背景を踏まえて,大会特別講演として、北米での加害者臨床をご専門とする高野嘉之先生(カウンセリング心理学)をお招きし、DV加害者臨床の複雑性をDV加害者のパーソナリティに焦点をあててご講演していただく。

■大会準備委員会企画1

「『パーソナリティ研究』事前登録追試研究論文掲載への道」

話題提供者:
小塩 真司(早稲田大学)・北村 英哉(東洋大学)・
下司 忠大(立正大学)

2018年11月より,本学会機関紙「パーソナリティ研究」の投稿区分「ショートレポート」内の新たな投稿区分として,「追試研究」「事前登録研究」「事前登録追試研究」が追加された(加藤, 2018)。いわゆるプレレジストレーション(プレレジ)論文である。2022年3月には,初めてこれらの区分(具体的には「事前登録追試研究」)の論文が掲載された。
本企画では,現機関紙編集委員長の小塩より,プレレジ論文の区分を導入した経緯と,編集委員会内でどのようなやりとりがなされているかを紹介する。また,初めて掲載されたプレレジ論文の第一著者である北村より,当該論文の投稿から掲載に至るまでのやりとりや今後投稿する際の注意点などについて報告する。そして,双方の意図や掲載までのやりとりの中で感じたことなどをざっくばらんに語りあうことを企画している。これからプレレジ論文投稿をしようと考えている(あるいはすでに準備・投稿している)会員の質問にも可能な範囲で答えることで,プレレジ論文のみならず,パーソナリティ研究への投稿を促進したい。

■大会準備委員会企画2

「知能検査の系譜と現代的展開―田中ビネー知能検査を軸にして―」

講演者:
大川 一郎(埼玉学園大学・田中教育研究所)
司会者:
松田 英子(東洋大学)

1905年,フランスの心理学者であるビネー(Binet, A., 1857-1911)とシモン (Simon, T.)が,世界で初めての知能検査を開発した。ビネーの知能検査は,瞬く間に世界中に広がり,知能の測定という新しい領域が展開する大きなきっかけとなった。大会準備委員会企画講演として,知能と生涯発達をご専門とする大川一郎先生をお招きし,田中ビネー知能検査を中心とする, 日本における知能検査の系譜と現代的展開についてご講演いただく。講演者の大川一郎先生は,1984年以来現在に至るまで,日本を代表する個別式知能検査の一つである田中ビネー知能検査の改訂に中心的に関わっておられる。
本講演では,①知能検査や知能理論の系譜と現代的展開,②知能検査で測定されている能力(認知能力と非認知能力,パーソナリティ),③田中ビネー知能検査の作り方(標準化の過程,改訂の必要性,新版に向けての動き他),④田中ビネー知能検査Vモンゴル版(2021)の作られ方(監修;田中教育研究所,開発;名古屋大学こころの発達支援研究実践センター他)に関わる内容についてご講演いただく。
ご講演の後、日本パーソナリティ心理学会の会員とのディスカッションおよび情報交換の機会を設ける。

■大会準備委員会企画3

「生き物救出作戦 ―カーミージーの海をめぐる小学4年生との活動記録―」

講演者:
鹿谷 麻夕(しかたに自然案内)

2009年、浦添市で計画された海岸道路計画に伴い,埋め立て予定地に生息する天然記念物オカヤドカリ類の保全策として、オカヤドカリ類を採取し隣の海岸へ移動する作業を小学生に協力してもらう企画が立ち上がった。しかし、それは保全策になるのか?小学生は活動をどう受け止めたのか?本講演では,沖縄で海の環境教育を行っている鹿谷氏に、市、自治会、小学校と共に行った、海辺の小さな命を考える活動についてご紹介いただく。

■経常的研究交流委員会企画

「パーソナリティ研究からみた非認知能力」

話題提供者:
野崎 優樹(甲南大学)・西川 一二(大阪公立大学)・
原田 知佳(名城大学)
指定討論者:
渡邊 芳之(帯広畜産大学)

近年、非認知能力に対する関心が高まっている。経済学的な視点から、幼児教育の重要性が指摘され、そのなかで従来から重視されてきた学力等の認知的な力とは異なる多様な能力の意義が注目されている。本シンポジウムでは、非認知能力に相当するパーソナリティ特性について研究を進めている研究者にご登壇いただき、ご自身の研究を中心に研究概念の特徴と研究領域の現状について話題を提供していただく。その後、指定討論とフロアを交えた議論を通して、非認知能力と個々のパーソナリティ特性との今後のよりよい研究の発展について考える。

関連する催し

①理事会:

大会1日目の12月3日(土)の昼休みに対面で開催の予定です。詳細は決まり次第、理事・監事の皆様にお知らせいたします。

②ヤングサイコロジストプログラム(YPP):

2022/11/27(日)14:00-17:50 oVice にてオンラインで開催いたします。
詳細は学会HP「2022年度ヤングサイコロジストプログラム(YPP2022)」のページをご覧ください。

③ミドルサイコロジストプログラム(MPP):

開催に向けて検討を重ねてきましたが、今大会は不開催という結論に至りました。
開催を心待ちにしていらっしゃった皆さまには、誠に申し訳ありません。

④総会:

大会1日目の12月3日(土)の発表プログラム終了後、懇親会会場への移動前の時間帯に、Web会議システムと対面のハイブリッドで開催の予定です。

⑤懇親会:

大会1日目の12月3日(土)の夕刻から、大会会場近隣の別会場で開催する予定です。参加費は「4.大会参加に関する諸費用」に記載の通りです。