第27回日本在宅ケア学会学術集会
第27回日本在宅ケア学会学術集会
第27回日本在宅ケア学会学術集会

ご挨拶

下 田 信 明
第27回日本在宅ケア学会学術集会長
東京家政大学健康科学部リハビリテーション学科 教授

 第27回日本在宅ケア学会学術集会を2022年7月30日(土)・31日(日)に,一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)において開催いたします。現在(2021年11月),日本における新型コロナウイルス感染症は一応の収まりをみせています。この約2年間,自らの感染リスクを背負いながら治療・予防の最前線でご尽力いただきました医療・保健・福祉専門職や関係者の皆さまに感謝と敬意を申し上げます。

 日本在宅ケア学会は,在宅ケアの学術的発展と教育・普及を図り,人々の健康と福祉に貢献することを目的とした学会です。その特徴は,医療・保健・福祉あるいは教育などにおける多職種の専門職が学会員を構成していることです。在宅ケアの学術的発展のために行われる学術集会においても,多くの職種の方々とともに議論がなされてきています。

 今回の学術集会のテーマは「ひとの生(life)を支える在宅ケア・在宅リハビリテーション」としました。われわれは,ひとの生(life),つまり人びとの生命・生活・人生(life)を支える仕事をしています。そのことを再認識しながら在宅ケア・在宅リハビリテーションについて考えるため,このテ-マにいたしました。また,私はリハビリテーション専門職の一つである作業療法士ですので,テ-マ,内容ともにリハビリテーションの色を少し強めに打ち出します。本学会の中では少数派であるリハビリテーション専門職ではありますが,本学術集会で皆さまと有意義な議論ができればと考えています。

 開催方法は,対面,リアルタイム配信,オンデマンド配信を組み合わせて行います。新型コロナウイルス感染症は,現時点では落ち着いていますが,終息宣言はまだまだ先と思われます。その中で,累積感染者数が一番多い東京の地で,対面で学術集会を行うことにいたしました。この2年弱の中で,人と人が顔を合わせて話し,笑い合い,時には肩をたたき合うことの大切さを痛感しました。一方で,オンラインの効率性の良さも実感しています。本学術集会では,両方の良さを体感できるものにしたいと思っています。

 今までの学術集会にない企画として,高校生とともに在宅ケアを考える公開講座を計画しています。今の高校2年生は,高校入学直後の4月(2020年)に緊急事態宣言の発出を受けました。思いもしなかった高校生活になってしまったと感じている生徒さんも多いと思います。未来を暗く感じている生徒さんもいるかもしれません。この公開講座で,在宅ケアの現場で元気に働いている大人の姿を見てもらい,次代を担う高校生に未来への希望を持ってもらいたいと思います。

 実行委員一同,準備にまい進しております。魅力ある先生方から,講師などの了承をいただいております。今後,一般演題の募集も開始します。決定した内容は,随時ホームページを通じて配信いたします。ぜひ皆さまのご参加をお待ちしております。