謹啓
2020年に始まったCOVID-19のパンデミックはまだ続いており、また、東ヨーロッパにおける戦争の勃発など、数年前には全く予想しえしなかったことが続いています。平和と人々の健康がどれほど尊いものかを改めて実体験しているのが今の我々です。しかし、我々医療者はその歩みを緩めることなく、人々の健康と幸福のための学術研究に進んでいく必要があります。
この度、第41回日本小児循環動態研究会学術集会と第31回日本小児心筋疾患学会学術集会の合同学術集会を2022年10月15日(土)・16日(日)に静岡県職員会館 もくせい会館にて開催することとなりました。日本小児循環動態研究会学術集会の会長を静岡県立こども病院循環器科の新居 正基が務めさせて頂くこととなりました。そして、合同開催される日本小児心筋疾患学会学術集会の会長を国立成育医療研究センター循環器科の小野 博先生が務められることとなりました。伝統ある両学会の初の合同開催を、小野 博先生とともにさせて頂けることを大変光栄に思っております。
伝統ある両学会の初の合同開催を記念するテーマとして
『心機能と循環、あらためて疑問を問い直してみる』
を選ばせて頂きました。心筋疾患と心機能・循環動態評価は密接に関連しています。今回は初の合同開催となることで、これまでの常識を破り去り、新たな突破口となるような研究を多数応募したいと考えております。そして、約2年半に渡り我々の学会活動の大きな障壁となっていたCOVID-19パンデミックを吹き飛ばすような活発な“生の議論”ができる学術集会になることを切に願っております。皆様、学術における生の議論が静岡の地で再生することに、是非ご協力をお願い致します。
謹白
2022年3月吉日
日本小児循環動態研究会・日本小児心筋疾患学会 合同学術集会
第41回日本小児循環動態研究会学術集会
会長 新居 正基
静岡県立こども病院 循環器科
謹啓
この度第31回日本小児心筋疾患学会学術集会を2022年10月15日と16日の2日間、日本小児循環動態研究会と合同で開催させていただくことと致しました。
本学会は、1992年に第1回関東小児心筋疾患研究会が開催され、4年遅れて第1回関西小児心筋症研究会が開催されました。その後2011年に両研究会が合併し第20回日本小児心筋疾患学会が開催され現在に至ります。
循環とは、ひとまわりして元の場所や状態に戻ることで、ヒトの場合出発点が心臓だとすると、各臓器に血液が運ばれ、それが心臓に戻ってくることを意味します。その心臓の病気を扱う心筋疾患学会と循環動態研究会が合同で議論を深めるのは自然の流れです。皆さまもご存知の通り、この分野の研究や治療の進歩は目覚ましく、心筋疾患に対する遺伝子解析などの研究はもちろんのこと、昨年にヨーロッパ心臓病学会の急性・慢性心不全診療ガイドラインも改訂され、アンジオテンシン受容体/ネプリライシン阻害薬、SGLT2阻害薬はHFrEFに対して全ての患者に投与すべき薬剤と位置付けられ、洞調律で心拍数が70回/分の場合イバブラジンの追加を検討するなど、新規の心不全治療薬の位置づけが明確化されました。そしてファブリー病などの全身疾患に対する酵素補充療法やシャペロン療法の普及も目覚ましく、重症心不全に対する心臓移植などの治療も、ここ数年飛躍的に進歩しております。
新型コロナウイルス感染症は未だに収束の見通しが立たず、2022年10月の流行状況も予想ができません。本合同学術集会の方針は、現地開催のみでWEB開催は行わないこととしております。是非静岡で皆さんとお会いして、議論を深めることができるよう祈念しております。
最後に日本小児循環動態研究会の会員の先生方、特に今回の担当である静岡こども病院の新居正基先生には、今回の合同開催のご英断に厚く御礼申し上げます。
謹白
第31回日本小児心筋疾患学会学術集会
担当幹事:国立成育医療研究センター 循環器科 小野博