日本植物細胞分子生物学会は2020年7月から「一般社団法人 日本植物バイオテクノロジー学会」に生まれ変わります。

シンポジウム

(1)「食の未来を拓く先端技術 (仮題)」

オーガナイザー:日本植物細胞分子生物学会・産学官連携委員会
代表者:小鞠敏彦(日本たばこ産業株式会社)
共催(予定):食と先端技術共創コンソーシアム

 『食』にまつわる社会的課題として、地球の人口増加や気候変動による食料不足、農業就業者の高齢化と後継者の不足が挙げられる。SDGs; Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)では「飢餓をゼロに」、「すべての人に健康と福祉を」という目標が掲げられており、食の課題解決はもはや人類の命題であり、そこに科学が介入する必然性も存在する。本シンポジウムでは特に植物を中心とした有用素材開発、農業の省力化技術、機能性植物の開発を産学協働で共同開発する試みを紹介する。

講演者(予定):
有泉亨(筑波大)
 「作物変異集団大規模フェノタイピングによる有用素材開発」
三浦謙治(筑波大)
 「作物ゲノム技術の汎用化」
福田直也(筑波大)
 「省力型生産技術による高付加価値作物の生産」
大澤良(筑波大)
 「先端技術により作出された作物の理解と普及」

(2)「バイオエコノミーの展開に向けた強い技術・情報・システムの創出と活用」

オーガナイザー:矢野健太郎(明治大学)
共催:科研費・新学術領域研究「植物の新種誕生原理」

 バイオエコノミーの強化に向けた国際競争が活発になっている。バイオエコノミーは、非モデル植物が生産する有用物質の探索と高度利用化により強く推進できる。そのためには、デジタル×バイオによる統合解析基盤とモデル植物・非モデル植物のオミックス・知識情報基盤を着実に整備し、活用することが求められる。そこで、本シンポジウムでは、革新的なバイオエコノミーを創出するための諸課題である、多様な植物種や形質に関わるオミックス・知識情報集約、遺伝子探索・高度利用化を加速化する最先端オミックス解析手法、および、次世代型育種戦略を紹介する。

講演者:
伊藤剛(農業・食品産業技術総合研究機構)
 「新しい育種技術(NBT)社会実装のためのバイオインフォマティクス」
瀬々潤(産業技術総合研究所・ヒューマノーム研究所)
 「コムギの育種に向けたデジタル技術の大活用~観測からDB化、生育予測まで」
中村保一(遺伝研)
 「ゼニゴケ完全ゲノムDB MarpolBase: アノテーションジャンボリーを経た改善」
矢野健太郎(明治大・農)
 「オミックス・知識情報整備による植物遺伝資源の高度利用化」
赤木剛士(岡山大・環境生命科学)
 「進化過程は設計図~進化的力学から見る植物における形質多様化の原動力」

(3)「Made in Japan:世界を駆ける日本発のゲノム編集技術開発の最前線」

オーガナイザー:遠藤真咲(農研機構)、野中聡子(筑波大学)
共催(予定): SIP「精密ゲノム編集コンソーシアム」(内閣府)
NEDO「スマートセルプロジェクト」(NEDO)

 ゲノム編集技術は、任意のプロモーター配列や遺伝子配列に変異を導入する技術である。その応用範囲は基礎研究から作物育種まで幅広く、特に作物育種の面からの期待は大きく世界中で注目されている技術である。しかしながら、自由度の高い植物分子デザインのためには、ゲノム編集技術のさらなる高度化が必要な状況であり、現在、世界中の多くの研究者がこの課題に取り組んでいる。日本発の成果も数多くの輩出されており、技術開発の速度は日進月歩である。そこで、本シンポジウムでは、今世界を駆ける日本人研究者によるゲノム編集技術の汎用化、高度化、日本発の新規ゲノム編集技術の開発に向けて最新の研究成果の講演を予定している。

講演者:
濡木理(東京大学)、真下知士(東京大学)、中村崇裕(九州大学)、水多陽子(名古屋大学)、遠藤真咲(農研機構 生物研)

(4)「植物オルガネラゲノム工学の新展開」

オーガナイザー:有村慎一(東京大学)

 光合成と呼吸を司る葉緑体とミトコンドリアは,植物を特徴づける重要代謝の場であるとともに独自のゲノムを有している.これらのオルガネラゲノムは,細胞内で多コピー性をもち,修復機構,遺伝子発現機構,遺伝様式なども核ゲノムとは大きく異なっている.これまで改変が容易ではなかった葉緑体ゲノム,最近まで改変が不可能であった植物ミトコンドリアゲノムは,今後の植物バイオテクノロジーにおいて大きな潜在性を秘めた改変対象である.当該シンポジウムでは最近の新たな改変技術アプローチの進展と,新時代を迎えつつある二つのオルガネラゲノム改変による応用展開について紹介する.

講演者:
沼田圭司(理化学研究所)、寺地徹(京都産業大学)、中平洋一(茨城大学)、有村慎一(東京大学)

(5)日韓中三ヶ国シンポジウム

大会会期中に日韓中三ヶ国シンポジウムを英語セッションの中で開催予定です。シンポジウムの概要は以下の通りです。

「Opportunities and Challenges of Plant Biotechnology」

オーガナイザー:日本植物細胞分子生物学会・国際化委員会
代表者:大西利幸(静岡大学)

 植物は、食料やバイオマスとしてだけでなく、エネルギーや新規機能性成分を生み出す源泉の一つである。現在、国連が提唱するSDGsの達成や脱炭素社会に向けてゲノム編集などをはじめとする植物バイオテクノロジーの技術開発が期待されている。日韓中三ヶ国シンポジウムでは、各国における植物バイオテクノロジーを用いた研究開発や社会実装へ向けた取り組みなどについて紹介いただきたいと考えている。


(6)市民公開シンポジウム「つくば発!植物バイテクの産学連携最前線」

主催:日本植物バイオテクノロジー学会
共催:筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター

 植物バイテクの産学連携研究・社会実装に携わる専門家4名が、作物の遺伝子組み換えやゲノム編集技術によりもたらされた研究成果の社会実装に関する最新のトピックを紹介し、講演後、参加者を交えて双方向の議論を行います。また、講演後、希望者を対象に筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センターの産学連携研究施設の見学ツアーを実施する予定です。

日時:2020年9月13日(日)13:00~17:00(予定)
場所:筑波大学 春日講堂(〒305-8550 茨城県つくば市春日1丁目2)
参加費:無料
URL: http://www.jspcmb.jp/sympo/index.html

講演者:
江面浩(筑波大学/サナテックシード㈱)
 「ゲノム編集作物で健康実現~ GABA 高蓄積トマトの開発と実用化」
棚瀬京子((株)インプランタイノベーションズ)
 「ミラクリントマトで食事を楽しく」
光田展隆(産業技術総合研究所)
 「産業応用を目指した植物研究」
髙野誠(農研機構)
 「機能性米でスギ花粉症対策:スギ花粉米の開発と実用化に向けた取り組み」