日本行動計量学会 第47回大会

実行委員長挨拶

大会実行委員長
狩野 裕(大阪大学)

 大阪大学で本学会の大会を開催させて頂くのは2回目となります.初回は1993年で,人間科学部の直井優教授(当時)(名誉会員)が大会実行委員長でいらっしゃいました.その大会で記憶に残るのは第3日目が台風で中止になったことです.平成30年度,関西は何回も自然の猛威に襲われましたが,来年度は平穏であってほしいと祈ります.さて,第47回大会は,基礎工学研究科の講義棟で開催致します.大阪大学は,1961年に理学と工学の間をうめるために基礎工学部を創設し,1972年には,理科系から文科系にまたがる,人間を研究対象とする人間科学部を創設しました.両学部ともに設置されたときは隙間産業的だったのかも知れませんが,昨今,これらの学部が扱う学際融合研究を否定するものはありません.また,日本行動計量学会のWebには「人間の行動に関する計量的方法の開発,およびその適用について,学際的・横断的な研究活動を行っています.」とあり,本大会が,大阪大学の人間科学部や基礎工学部で開催されることは至極全うのように思います.
 Web では,行動計量学の立場として,統計的方法論を議論するだけではなく,「問題構造の把握」→「目的に即した定式化」→「実験・調査・測定」→「データ解析」→「情報の抽出」の全てプロセスが重要であると説きます.この考えは,昨今データ科学で強調される PPDAC(Problem→Plan→Data→Analysis→Conclusion)と共通するものです.AI・数理・データ科学人材が不足する日本において統計教育への貢献も重要になるかもしれません.
 昨今の大会では,新たな取り組みとしてラウンドテーブルディスカッションや柳井レクチャーがあります.従来からの大会シンポジウム,一般セッション,特別セッション,ポスターセッションを加えて,魅力的な大会になるよう努力する所存ですので,会員の皆様方のご協力をよろしくお願いします.

  • 基礎工学B棟(講義棟)

    基礎工学B棟(講義棟)(大会会場)

  • 大阪大学会館と中山池

    大阪大学会館(旧イ号館,旧制浪速高等学校)と中山池