各研修講座詳細は【概要】をクリックすると表示されます。
また,各研修講座は2時間ずつとなります。
(時間が長いため,オンデマンド配信ページ上では,講座動画は数本ずつに分かれて掲載となります)
研修①
- 【領域】
- 学校心理学
- 【テーマ】
- 3段階の心理教育的援助サービスとしてのレジリエンス
- 【講師】
- 池田 誠喜(鳴門教育大学)
近年,回復力や逆境力などと意訳され,心理教育・医療・福祉領域などで研究が広がっているレジリエンスという考え方を用いて,ダメージを受けた人の回復やウェルビーイングの実現に役立てようとする取組が報告されています。学校教育やヒューマンサービスに携わる方々には一見魅力的に映るコンセプトですが,実際的な取組と検証は始まったばかりです。本研修では,学校心理士が3段階の援助サービスを進めるためのアイディアの一つとなることを期待してレジリエンスの考えや取組を紹介いたします。具体的には、レジリエンスについての理解を深め,回復する現象の機序について考えていただき,学校心理士の活動に役立つ知見を得ていただく機会となることを目指しています。
研修②
- 【領域】
- 教授・学習心理学
- 【テーマ】
- 授業コンサルテーションを支援するアプローチ
-学習環境をデザインするための研究と実践- - 【講師】
- 高垣 マユミ(津田塾大学)
学校心理士の資格を有する立場として授業コンサルテーションを支援する際に、実際に学校現場からはどのような視点が求められているのであろうか。そこでは、学校心理士と教育実践者の双方が互いの専門性や主体性を最大限に活かしてコラボレイトする、という関係の持ち方が重要となる。本講座では、「観察的コンサルテーション」から「生成的コンサルテーション」への転換、及び「R+D(Research+Development=研究+開発)」を行うアプローチを示し、背景となる教育心理学領域における内外の学習環境のデザイン研究の知見を取り上げながら、実際に行った実践事例の具体的な工夫や方法を分析することを通して、今後の授業コンサルテーションが向かうべき方向性を展望したい。
研修③
- 【領域】
- 発達心理学
- 【テーマ】
- 発達心理学を生かした学校心理学 ~現代的な教育課題と関連させて~
- 【講師】
- 松尾 直博(東京学芸大学)
教育には発達を促すという側面があり、学校には発達を促す場という役割がある。また、学習指導要領等にも発達の段階を考慮して指導することや、発達には個人差があることなどが述べられている。それでは、今の子どもたちは以前と比べて発達が早くなっていると言えるだろうか。それとも発達が遅くなっていると言えるのだろうか。おそらく、この問いに対して意見が分かれるのは、発達にはさまざまな領域があるとともに、時代や社会が求める価値や力の相違が影響しているからであろう。本研修では、今一度「発達する」とは何かを検討しつつ、発達を促す要因、阻害する要因等について、古典的な理論・知見と新しい理論・知見の双方から考えていきたい。
研修④
- 【領域】
- 臨床心理学
- 【テーマ】
- スクールカウンセラーが現場でできるネット・ゲーム依存の支援と予防
- 【講師】
- 三原 聡子(久里浜医療センター)
近年、ネット・ゲームへの依存は多様化しています。以前はゲームに依存しているケースがほとんどでしたが、現在は配信を見続けていたり、チャットルームで様々な人と話をしていたりと、その依存の対象も変化してきています。
ネット・ゲームの過剰使用が心配され、今、介入できたら依存への移行を食い止められるかもしれないケースや、学校を休みがちになるほど依存しているケースに対して学校現場で心理士がどんなことができるか、一緒に考えてみたいと思います。また、問題意識が乏しい親御さんや、反対に、いますぐどうしたらいいか回答が欲しいという親御さんへの対応など、対応に困るであろう状況についてもみんなで検討できたらと思っています。
ネット・ゲームの過剰使用が心配され、今、介入できたら依存への移行を食い止められるかもしれないケースや、学校を休みがちになるほど依存しているケースに対して学校現場で心理士がどんなことができるか、一緒に考えてみたいと思います。また、問題意識が乏しい親御さんや、反対に、いますぐどうしたらいいか回答が欲しいという親御さんへの対応など、対応に困るであろう状況についてもみんなで検討できたらと思っています。
研修⑤
- 【領域】
- 心理教育的アセスメント
- 【テーマ】
- 学校現場における検査結果の活用
〜WISC-Ⅴ(Ⅳ)やKABC-Ⅱのアセスメントを通して〜 - 【講師】
- 小林 玄(東京学芸大学)
教育現場では、近年、「個別最適な学び」「合理的配慮」が重要なキーワードとなっています。個の教育的ニーズに応えるには、子どもの能力の水準や特性(得意な領域や不得意な領域)を多角的に把握することが肝要です。その実態把握のためのツールのひとつとして、心理教育的な検査の活用が行われてきました。しかし、実際には、検査結果が日々の指導に十分に反映されているとは言い難く、また検査者(主に心理職)と指導者(主に教育職)との連携も不十分と言えるでしょう。検査結果から何がわかるのか(あるいは何がわからないのか)、検査者と指導者がどのように連携すれば検査結果を活かして子どものニーズに応えることができるのか、WISC–Ⅴ(Ⅳ)やKABC–Ⅱの結果の活用をお示ししながら、ご一緒に考えていきたいと思います。
研修⑥
- 【領域】
- 学校カウンセリング
- 【テーマ】
- カウンセリングにおけるスーパービジョンの活用
- 【講師】
- 三川 俊樹(追手門学院大学)
生徒指導や教育相談、キャリア教育の実践において、教師による子どもへの直接的な援助的関わりとして活用されるカウンセリングは、その力量の向上のために、スーパービジョンが最も重要な役割を果たしています。しかしながら、スーパービジョンにはさまざまな誤解や混乱が生じており、「スーパービジョンの意義・目的・方法がわからない」「スーパービジョンには抵抗がある」という意見のほか、事例検討やケースカンファレンス、コンサルテーションとの区別もないままに指導や助言が行われているのが現状です。この研修では、カウンセリングの基礎訓練に適用され、特定の学派や理論によらない「基礎的で汎用性のある」スーパービジョンの理解とそのすすめ方について紹介します。
研修⑦
- 【領域】
- 特別支援教育
- 【テーマ】
- 自閉症スペクトラム障害といじめ行動 -応用行動分析から見た理解と予防支援-
- 【講師】
- 村中 智彦(新潟大学)
拙稿(日本学校心理士会年報,12号,42~53頁,2020)をもとに,応用行動分析の立場から,ASDのある子どもを取り巻くいじめ問題の実態,予防に向けた支援について話題提供を行います。ASD児では中核症状となる社会的コミュニケーションの欠如からいじめ被害のリスクが高くなります。三項随伴性による分析では仲間のいじめ行動は何らかの先行事象によって生起し,加害児にとって好ましい後続事象によって増加すると推測されます。予防支援では,ASD児の行動問題研究から機能的コミュニケーション訓練と社会的スキル訓練が有効であること,不適切ないじめ行動の低減ではなく適切な働きかけの形成に重点を置くアプローチが有益なことを提案します。
研修⑧
- 【領域】
- 生徒指導・教育相談・キャリア教育
- 【テーマ】
- 学校のリスクマネジメントとクライシスマネジメント
- 【講師】
- 瀧野 揚三(大阪教育大学)
学校内外での事件や事故、災害等の影響で、学校で何らかの特別な対応が必要になる「学校危機」が発生することがあります。
この研修では、学校危機について説明し、生徒指導提要の「危機管理体制」で述べられているリスクマネジメントとクライシスマネジメントの観点から、学校安全の推進と学校危機の未然防止の一次予防、危機時の介入などの災害や事件・事故直後の対応である二次予防、児童生徒等の災害や事件・事故からの円滑な回復を支援する三次予防について、具体例のワーク等を通じ、学校心理士としての実践力を高め、学校危機への備えについて、考えていただく機会にしたいと思います。
この研修では、学校危機について説明し、生徒指導提要の「危機管理体制」で述べられているリスクマネジメントとクライシスマネジメントの観点から、学校安全の推進と学校危機の未然防止の一次予防、危機時の介入などの災害や事件・事故直後の対応である二次予防、児童生徒等の災害や事件・事故からの円滑な回復を支援する三次予防について、具体例のワーク等を通じ、学校心理士としての実践力を高め、学校危機への備えについて、考えていただく機会にしたいと思います。
SV研修①
- 【領域】
- SV研修Ⅰ
- 【テーマ】
- 学校心理士の倫理
- 【講師】
- 山口 豊一(聖徳大学)
学校心理士倫理綱領には,「学校心理士は,活動の対象となる人々に与える影響の重要さを認識して,社会的責任と人間としての道義的責任を自覚しておかなければならない。」と記載されており,「倫理」は心理士にとって切っても切り離せないものである。「倫理」は,クライエントとの関係性をめぐっても,十分に振り返る必要があると考える。本研修では事例を用いながら,「倫理」をめぐって,どのような専門性を持ち,どのような反省的実践を行うかを,ディスカッションを行いながら進めていく。何が正解かを考えるのではなく,様々な視点から考えること,また,コンピテンシーと照らし合わせながら,どのように臨床家としての姿勢を確立していくのか考えていく。
SV研修②
- 【領域】
- SV研修II
- 【テーマ】
- 教師にとっての教育相談
- 【講師】
- 会沢 信彦(文教大学)
学校心理士SVの皆さんの中で、大学の教職課程で教えたり、教員研修の講師を務めることで、教師や学校の支援に携わっている方も少なくないと思います。私は、教員養成を目的とした学部である現在の勤務先に奉職して20年になります。これまでに教師を目指す多くの学生に教育相談の授業を担当するとともに、教育相談に関する教員研修にも数多く携わってきました。これらの仕事を通して私が考え続けてきたのは、「教師にとっての教育相談とは何か」「教育相談の立場から、教師や学校にどのような貢献ができるか」であったように思います。この研修では、これまで私が学んだり考えたり悩んだりしたことを率直にお伝えすることで、何かしら皆さんのお役に立つことができればと願っています。
SV研修③
- 【領域】
- SV研修III
- 【テーマ】
- 養護教諭が行う心理教育的援助サービス
- 【講師】
- 相樂 直子(創価大学)
本研修では、学校現場における私自身の経験をもとに、養護教諭が行う心理教育的援助サービスの実践について紹介し、心理教育的援助サービスの担い手としての養護教諭について解説します。養護教諭は、心身の健康面から児童生徒に関わり、学校保健活動の推進に当たって中核的な役割を担うことが期待されています。養護教諭が行う学校保健活動は、「保健管理」「保健教育」「組織活動」に分類され、いずれも三段階の心理教育的援助サービスの視点から整理することが可能です。これらの心理教育的援助サービスの実践に基づき、「専門的ヘルパー」としての養護教諭の特徴や強み、課題について考えていきたいと思います。
准士研修 准学校心理士研修
- 【テーマ】
- 教育実践をケースレポートとしてまとめる際の留意点について
- 【講師】
- 藤原 和政(兵庫教育大学)
学校心理士を目指される場合,ケースレポートを作成する必要があります。このケースレポートでは,これまでの教育実践や個別支援事例をふり返り,自己評価をまとめることが求められています。そのため,日々,お仕事などで書かれている文章とは違い,ケースレポートとしてまとめる際にはポイントがあり,ここに難しさを感じられる方が多いと思います。そこで本講座では,ケースレポートで求められていることや,実際にケースレポートを書く際の留意点などについて紹介したいと思います。ケースレポートとしてまとめてみようと思われている事例などを思い浮かべながら,ご参加していただけましたら幸いです。