一般社団法人日本LD学会第32回大会(広島)の開催にあたって
多様性に寄り添う個別最適な支援 ―異領域でつなぐ、専門性でつなぐ―
第32回⼤会では、主催を広島⼤学としS.E.N.Sの会広島⽀部会のメンバーが中⼼になって、国際平和⽂化都市広島に⽇本LD学会の会員の皆様をお迎えすることになりました。平和公園に隣接する広島国際会議場をメイン会場として、ハイブリッド形式での開催になります。広島は、ご存じのように、⼈類史上初めて原⼦爆弾の被災を受けた都市として、毎年、国内外から多くの⼈々の訪問を受け、平和への祈りが捧げられています。世界的に紛争や対⽴が激化している今⽇、平和の尊さを改めて強く感じます。また、新型コロナウイルス感染症の流⾏が続き、その影響は⼦どもたちに及んでいます。⽂部科学省によると、令和3年度には、不登校児童⽣徒数が約245,000⼈になり、前年度より約5万⼈の増加となりました。⼈との関わりが制限され、社会的、認知的発達に影響を受けたことが⼀因として挙げられています。特に様々な特性をもつ発達障害のある⼦どもたちはその影響をより強く受けたと考えられます。
広島では、これまで、学校や地域において、各学校の教員、教育・福祉施設のスタッフ、特別⽀援教育や⼼理の専⾨家など、異領域で連携し、多様な⼦どもたちの個性に合った教育の実現に向けた取り組みを⾏ってきました。本⼤会では、メインテーマを「多様性に寄り添う個別最適な⽀援 ―異領域でつなぐ、専⾨性でつなぐ―」とし、⼤会企画シンポジウムや教育講演において、こうした広島での取り組みをできる限り具体的に紹介できるように計画しています。もちろん、会員の皆様も、それぞれの学校や地域で⼦どもたちの個性を⽣かした独⾃の実践に取り組んでおられると思います。こうした経験や知識を相互に持ち寄り、交流し、より専⾨性を⾼める場にしていきたいと願っています。
会員の皆様におかれましては、是⾮、多くの⽅に広島にお越しいただきたいと考えています。昼間は、研究交流、夜は、ライトアップされた原爆ドームや平和公園を⾒渡せるおりづるタワーでの交流会を準備しています。会員の皆様が、⼦どもたちのために新たな学びや指針が得られる⼤会となり、また、⽇々の実践に頑張っていけるエネルギーを得られますように、⼤会実⾏委員⼀同、運営に尽⼒してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
広島大学大学院
湯澤 正通