今年度の5月8日に新型コロナウィルス感染症は,感染症法上の位置づけが2類から5類にその位置づけが変わり,季節性インフルエンザと同様の対応に変わりました。しかし,この感染症は次々と新たな変異の株が現われるなど,私たち一人一人にまだまだ感染症対策が必要とされています。また,この3年数か月に及ぶ感染症対策は,発達途上にある子どもたちに様々な影響,特に対人関係やコミュニケーションの築き方などに大きな影響を及ぼしていると考えます。学校心理士は,これらの表面化する課題を正面から受け止め,その課題解決に全力を尽くすことが求められています。
さて,2023年大会は,昨年度のオンライン開催(主にオンデマンド方式)とほぼ同じ形態・運営で開催することとなりました。大会のテーマは,「児童・生徒の育ちを中心に据えた学校における心理教育援助サービスを考える」としました。今回のパンデミックはまだ完全に終息したとは言えません。おそらくこのようなパンデミックは様々に様相を変えて出現し,種々の問題を我々に提起し,繰り返しその対応に迫らえるようにも言われております。加えて,ロシアによるウクライナへの侵攻や温暖化などによる異常気象による自然災害の多発,これまで日本では考えられない強盗事件の発生など,子どもたちには心を痛める情報が多く届く時勢ではあります。しかし,こうした中でも,学校における安心・安全な生活を基本に,子どもたち一人一人と教師も含めた学校関係者らが健康で充実した学校生活を送れるよう,私たち学校心理士はでき得る力を結集して,支援を継続していかなければなりません。そのためには「学び続ける」「実践し続ける」「研究し続ける」という学校心理士のあるべき姿を追求し,本大会が皆様の研修と実践に少しでも参考になれば幸いと思います。
大会プログラムとして,基調講演,研修講座が8つ,SV研修が2つ,准学校心理士研修が1つ,ポスター発表を予定しております。いずれも,近々の教育行政における新たな施策や学校教育現場の問題とその対応に関する話題,知見や教育実践などの紹介をして頂きます。 研修ポイントは,上限8ポイント取得が可能です(ポスター筆頭発表者は上限10ポイントまで可能)。
是非とも,多くの会員の皆様の参加を得て,今大会を成功させたいと強く願っております。ご参加のお申し込みをお待ちしております。
日本学校心理士会2023年度大会長
日本学校心理士会会長 山谷 敬三郎