第52回大会では、特別講演「第8回柳井レクチャー」を実施します。大会参加申込者は、無料で聴講できます。
- 日時:
- 9月12日(木) 15:20~16:20
- 場所:
- 大阪経済大学 大隅キャンパス D館1F D10教室
〒533-8533 大阪市東淀川区大隅2-2-8
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- 題目:
- 調査的思考:「データを生み出す創意工夫」と「限界の認識」
- 講演者:
- 松田映二(YORONresearch/元・朝日新聞社,元・埼玉大学)
- 概要:
- 2021年衆院選では自民の勝勢を見誤る予測報道が続出。2022年参院選の奈良選挙区では自民優勢な情勢の中で「激しく競り合う」など厳しく出た報道もあり、安倍元首相は急遽応援に駆けつけたが銃弾に倒れた。いずれも回収率が極めて低い電話調査の影響による惨事である。偏ったデータは誤った推論結果をもたらすし、無いデータを補正することはできない。「データの時代」が発展するにはデータの利用研究のみではなくデータを生み出す研究も重要である。選挙予測失敗の教訓から学び始め、データ収集における注意事項(調査的思考)を確認する。
「低回収率」時代における新しいアプローチの仕様と理論実装も必要である。有効極大化法(EMM)を用いれば郵送調査でも回収率8割は可能である。郵送調査の復権は、Web時代のデータ収集(Web調査)とシンクロする。どちらも調査員が介在せず質問文・選択肢を「目で見る」ため、バイアスが統制された複合調査が可能になる。「目で見る」調査のバイアスとして初頭効果が有名であり研究論文も多いが、その概念と事例は正当なのだろうか。回答行為における認知バイアスの研究を促進させる意味で、一石を投じる。 - 柳井レクチャーとは:
- 2013年に逝去された故柳井晴夫先生の行動計量学に関するご業績および学会へのご貢献を顕彰するため、「柳井レクチャー」の創設が2014年11月10日開催の学会理事会にて決定されました。故柳井晴夫先生の御業績に鑑み、行動科学における計量的方法の理論と応用について、毎年1名の講演者を選出し、日本行動計量学会大会において1時間程度の特別講演を行っていただいています。