大会長 田辺 肇(静岡大学)
第69回大会を2023年12月2日(土)から3日(日)の2日間、明治大学駿河台キャンパス(お茶の水・神保町)で開催します。昨年に引き続き、東京での開催となりますが、アクセスも良い会場かと思いますので、是非多くの方にご参加戴きたく存じます。まずは日程のご確認をお願いします。
大会のテーマは「催眠における多様性と交流」としました。昨年のテーマである『原点回帰』を承けて、学術大会が、さまざまな立場や領域の間の知見の交換や出会いなどいろいろな意味での交流を通し、催眠の研究と実践における多様性の醸成につながればという願いを込めました。もとより、催眠はその理論的な背景から実践のあり方まで、多様性に満ちており、いろいろな水準で異種混合的なものであることをふまえておくべき主題かと思います。おそらくそのことが、多様な理論や実践を生み出す母体としての可能性を醸成したのではないかと想像しております。
特別講演として、認知科学、VR、メディアアートなど多様な領域を横断して活躍されている小鷹研理先生にご講演を頂けることとなりました。先生が焦点をあてているミニマルセルフの問題は、催眠や解離の体験過程の理解において、重要な切り口であると言えるでしょう。
シンポジウムでは、昨年に引き続きジャネに関連した話題を採り上げることと致しました。催眠を中心に据えつつ、解離やトラウマなどの問題にも議論が展開するかと思います。ジャネを採り上げることは、歴史的・人文学的な切り口と実証科学的な視点の疎通、多様な実践やモデルとの出会いの機会に繋がるものと思っています。
未だにCovid-19の状況は楽観視できないところがありますが、対面による社会的交流の意義についても一定のコンセンサスが得られていることと思います。今回は、初日の夜に、対面による懇親会を企画しております。理知的な議論との両輪として、いろいろの交流の機会となればと考えています。今回は、講演やシンポジウム前になりますので、アイスブレイクとして是非ご参加下さい。
そして、研究発表は学術大会の重要な柱です。発表者の方のご負担を気持ちだけでも減らすべく、抄録集原稿作成用のひな形Wordファイルを用意します。例年通り抄録本文は1400字程度となります(図表含む)。今回は倫理委員会審査等倫理的配慮にかかる必要事項を本文に明記戴くことにしました。また、抄録集原稿はpdfにて大会参加者に配付されますので、事例-症例研究の場合、記載方法に特にご配慮ください。みなさまの研究成果をご発表戴きたく、執筆準備のほどよろしくご検討ください。
また大会初日には、催眠技法研修会が開催されます。そして懇親会前の夕方には、個人発表[事例-症例研究]を予定しています。ぜひ併せてご参加頂けますと幸いです。
本大会がみなさまの相互の交流の機会となることを願っております。