第40回日本生理心理学会・日本感情心理学会第30回大会 合同大会
第40回日本生理心理学会・日本感情心理学会第30回大会 合同大会

プレカンファレンス

プレカンファレンスA (日本感情心理学会 若手企画)
「感情制御研究の最前線―基礎から応用そして実践へ―」

企画者:
手塚洋介(大阪体育大学)・飯田沙依亜(愛知工業大学)・榊原良太(鹿児島大学)

企画の趣旨:
感情制御(emotion regulation)が心理学や近接領域において研究トピックとして認知されるようになったのはここ十数年のことであるが,実に多くの研究がこのわずかな期間に多様な領域で展開されている。企画者らが最近上梓した『感情制御ハンドブック―基礎から応用そして実践へ―』にも,社会・人格・認知・発達・臨床・教育・経済・司法・スポーツ・労働といった他領域での研究成果が収められており,いまや感情制御研究は心理学が関わるほとんどすべての領域で展開されているといっても過言ではない。こうした現状に鑑み,学会の場でもこれまでの成果を広く共有して議論すべく,各領域の感情制御研究をリードする若手研究者の協力のもと,2部構成のプレカンファレンスを企画した。第1部はミニシンポジウム,第2部はラウンドテーブルディスカッションである。感情制御研究の最新知見を共有するとともに,フロアの参加者も交えて,感情制御研究の問題や今後の可能性を広く深く議論したい。

【ミニシンポジウム】

話題提供:
榊原 良太(鹿児島大学)「感情制御モデルの俯瞰」
話題提供:
野崎 優樹(甲南大学)「コミュニケーションと感情制御―他者の感情を制御する方略の比較検討―」
話題提供:
浜名 真以(東京大学)「感情の言語化と感情制御―発達の視点から―」
話題提供:
高田 琢弘(東海学園大学)「ギャンブルと感情制御―ハイリスクな行動の抑制に着目して―」
司会:
手塚 洋介

【ラウンドテーブルディスカッション】

討論者:
榊原 良太,野崎 優樹,浜名 真以,高田 琢弘,浦野由平(山形大学),則武良英(川崎医療福祉大学)
司会:
飯田 沙依亜,小林 亮太(福岡県立大学)
日時:
5月27日(金)15:30-18:30
会場:
F-102

プレカンファレンスB (日本生理心理学会・日本感情心理学会 若手合同企画)
「われわれは測りたいものを測れているか?―今後10年間の感情の主観・生理指標の測定に向けて―」

企画者:
森本 文人(仁愛大学)・山川 香織(東海学園大学)・白井 真理子(信州大学)・武藤 世良(お茶の水女子大学)

企画の趣旨:
本プレカンファレンスは,「感情とは何か」について議論を続けてきた日本感情心理学会若手有志と日本生理心理学会若手会のコラボレーション企画であり,若手に限らずあらゆる研究歴の持ち主が対象である。それぞれの学会が節目を迎えた今,研究者が自身の測りたいものを測れているかを問い直し,今後10年間の感情の主観・生理指標の測定の方向性を探りたい。人のさまざまな心理現象を調べるため,われわれは調べたい対象について,概念化し,操作的定義を行うことで測定を行っている。中でも感情という主観的な現象を捉えるため,さまざまな指標を利用することで,その現象の解明を試みてきた。一方,指標の選択は,測定対象の操作的定義に依存するため,同じ「感情関連現象」を捉えるうえでも,各々の定義は異なることが予想される。また,各指標にはそれぞれの利点・欠点が存在する。そこで本企画は,感情に関連する測定方法として,(a)主観指標を扱う質問紙,(b)情報処理過程を扱う事象関連電位(ERP),(c)脳内の機能的結合を扱う機能的磁気共鳴画像(fMRI)の3つの指標に焦点を当て,これからの感情研究を担う若手研究者から話題提供をいただく。松尾氏には,社会的・道徳的感情に対する主観指標,真田氏には,ユーモア処理に対するERP指標,高野氏には,awe(畏敬・畏怖)に対するfMRI指標について,各方法の可能性や限界,相補性についてお話しいただく。指定討論として,小川氏に主観と生理をつなぐ観点から,感情概念の操作的定義における差異や接点についてお話しいただく。当日は参加者ご自身も指定討論者となり,「気軽に生産的に」議論できる場として,皆で議論する時間を楽しんでいただければ幸いである。

【話題提供】
松尾 朗子(東京大学先端科学技術研究センター)
真田 原行(関西学院大学・日本学術振興会)
高野 了太(東京大学・日本学術振興会)

【指定討論】
小川 時洋(科学警察研究所)

日時:
5月27日(金)15:30-18:30
会場:
F-203