公益社団法人日本顕微鏡学会 第82回学術講演会
  • 会期 2026年5月25日(月)~ 27日(水)
  • 会場 仙台国際センター 展示棟(宮城県仙台市青葉区)

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一般セッション 概要・招待講演者

一般セッション生物系

B-1 医生物系応用

動物、植物等における組織、細胞、細胞小器官、超分子複合体、細胞外基質などの構造、生命現象、及び医学的応用に関する研究を対象とし、一般的な光学~電子顕微鏡観察から様々な先進的顕微鏡・イメージング技術を用いたものまで広く演題を募集する。

【キーワード例】

動物、植物、組織、培養細胞、オルガノイド、細胞小器官、分子、複合体、細胞骨格、膜、細胞間質

【招待講演予定者】

なし

【発表構成】

一般演題、指定演題


B-2 微生物

微生物の顕微鏡観察に関連する演題を広く募集する。特に、微生物の生命システムを実現する、分子マシナリーや高次な構造体の構造と機能を解き明かした研究に関する演題を募集する。また、各種顕微鏡観察技術や他の技術を組み合わせアプローチする融合的な研究演題も歓迎する。

【キーワード例】

微生物、バクテリア、ウイルス、真菌、分子マシナリー

【招待講演予定者】

吉田 大和(東京大学)
岸田 康平(東北大学)
他調整中

【発表構成】

一般演題、指定演題

一般セッション分野融合(装置・生物)

IB-1 先端時空間イメージング

光学顕微鏡分野では、画像取得の高速化・高感度化・高解像度化、三次元化に加え、計算機による画像処理、数理解析、機械学習を組み込んだ次世代顕微鏡の開発が進んでいる。本セッションでは、こうした光学顕微鏡の最先端技術を紹介し、生物学分野における新たな可能性について議論する。あわせて、関連する顕微鏡技術や試料・データ処理法に関する演題も広く募集する。

【キーワード例】

高速イメージング、広視野3D計測、計算機援用顕微鏡(computational microscopy)、蛍光イメージング、in vivoイメージング、蛍光寿命イメージング(FLIM)、ライトフィールド顕微鏡、ライトシート顕微鏡、多光子顕微鏡

【招待講演予定者】

菅野 寛志(東北大学)
杉 拓磨(広島大学)
三上 秀治(北海道大学)
加藤 孝信(東京大学)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IB-2 先端・特殊顕微鏡法

本セッションでは、一般的な光学顕微鏡や電子顕微鏡とは異なり、細胞・組織や生体分子の構造および動態を多角的に解析可能な先進的な顕微鏡・イメージング技術に関する演題を広く募集する。質量顕微鏡、定量位相顕微鏡法、顕微動的光散乱法をはじめとした生命現象を新たな視点から可視化・定量化する技術を紹介するとともに、それらの応用例や今後の可能性などについても議論を深めたい。

【キーワード例】

質量顕微鏡、定量位相顕微鏡、イオン顕微鏡、動的光散乱法、光音響顕微鏡、分子動態

【招待講演予定者】

瀬藤 光利(浜松医科大学)
的場 修(神戸大学)
廣井 卓思(早稲田大学)

【発表構成】

一般演題、指定演題

一般セッション分野融合(装置・生物・材料)

IBM-1 クライオEM・ET・3D ED

急速に普及し、クライオ電子顕微鏡(EM)を代表する手法となった単粒子解析では、より小さな分子量のタンパク質への適用や、構造変化・多型構造の解明に向けた挑戦が続けられている。さらに、電子線三次元結晶構造解析(3D ED)やトモグラフィー(ET)は、構造生物学にとどまらず、材料科学分野でも三次元構造解析への応用が進む。本セッションでは、これらの手法に加え、クライオFIB-SEMによる試料薄片化を含む包括的な研究開発と成果について議論する。

【キーワード例】

単粒子解析、クライオ電子線トモグラフィー、電子線三次元結晶構造解析(3D ED / microED)、クライオFIB-SEM、凍結試料作成

【招待講演予定者】

眞木 さおり(理化学研究所)
川上 恵典(理化学研究所)
阿部 一啓(北海道大学)
水野 議覚(日本電子)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-2 装置開発・性能評価

装置開発および計測システムに関する研究開発を横断的に議論できるセッションである。
TEM、SEM、FIB、光学顕微鏡など顕微鏡の種類を問わず、新しいハードウェアや観察・解析手法、性能評価に関する取り組みを広く対象とする。
実用化に至っていない試みや開発途上の成果も歓迎し、顕微鏡技術の将来を切り拓く多様な挑戦を共有する場としたい。

【キーワード例】

電子光学・光学基盤技術、電子銃・新光源、空間・時間高分解能化、検出器・高速カメラ、試料ホルダー・環境制御、自動化・遠隔技術、マルチモーダル観察、多次元解析・データ統合

【招待講演予定者】

調整中

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-3 先端的TEM・STEM・回折法

近年の検出器の高感度化・高速化と情報処理理論の発達によって様々な新しい顕微鏡法が提案され、これまで不可能だった計測が実現しつつある。本セッションでは、これらの様々な先進的顕微手法について、結像法/干渉法/回折法の垣根を越えて、その原理や装置、材料への応用などを中心とした議論の場を提供する。また、若手研究者の積極的な参加を促進し、相互の交流の場を提供することで、新しい電顕法の更なる発展を目指す。

【キーワード例】

DPC、OBF、4D-STEM、タイコグラフィー、回折顕微法、ホログラフィー、microED、CBED、ナノビーム電子回折

【招待講演予定者】

Ondrej Krivanek(Bruker Corporation)
関 岳人(東京大学)
青山 佳敬(日本電子株式会社) 
玉置 央和(日立製作所)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-4 分析顕微鏡法

局所領域における物質の組成、化学結合状態、誘電特性、欠陥準位、発光特性などの分析技術は、材料特性の理解や新規材料開発において重要である。
本セッションでは、電子顕微鏡による分光学的手法(EELS、EDS、SXES、CLなど)を中心に、計測技術の開発や進展、材料分析への応用、さらにデータ解析技術について議論する。
その他、光、放射光、粒子線などを用いた顕微分光・分析法も対象とする。

【キーワード例】

EELS、EDS、CL、SXES、その他分光法

【招待講演予定者】

武藤 俊介(名古屋大学)
治田 充貴(京都大学)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-5 ソフトマテリアル(高分子学会連携セッションを含む)・分子化学

高分子・有機分子・ナノクラスター・MOF・液晶・ゲル・エマルションなどユニークな分子構造を持つ材料に対し、その組織構造や原子配列、さらに元素組成、化学結合の知見を得る手法としての顕微鏡法はますます重要となっている。
本セッションでは、顕微鏡を用いた観察や計測に関する現状と今後を議論し、さらに観察対象となる物質を合成する側の材料科学者、化学者との連携を強化することにより、新しい顕微鏡法につながる知見を共有することを目的とする。

【キーワード例】

高分子、液晶、ゲル、エマルション、バイオマテリアル、ダメージ抑制、複合材料、有機分子、ナノクラスター、化学反応、分子結晶、Metal-Organic Framework、Covalent Organic Framework、分子集合体、単分子観察、有機無機ハイブリッド、表面合成

【招待講演予定者】

矢貝 史樹(千葉大学)
川井 茂樹(物質・材料研究機構)
瀬川 裕大(日本電子)
稲元 伸(東レリサーチ)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-6 その場観察・局所物性計測

最新の顕微鏡技術を駆使した動的な構造や物性変化の直接観察および計測によりナノ・マイクロスケールでの局所物性(化学的、物理的、生物的)に関する研究が深化している。本セッションでは、それらの研究成果を共有し、材料開発や機能解明に不可欠な知見を提供するとともに、多様な分野の研究者が新たなその場観察・局所物性計測の解析手法や応用展開について議論する場である。

【キーワード例】

ガス・液相環境、電気化学反応、ナノメカニクス、熱伝導、電場・磁場印加、電子線照射

【招待講演予定者】

武藤 俊介(名古屋大学)
川本 直幸(物質・材料研究機構)
高橋 康史(名古屋大学)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-7 先端SEM

諸技術進展によりSEM観察・分析がカバーする領域は拡大され続けている。近年ではAIなどデジタル技術との連携への関心が高まっているが、その元となる画像・測定データの質は依然として重要であり、データクオリティ向上のための様々な手法開発が続けられている。
本セッションではデジタル技術への活用を見据えたSEM観察・前処理手法や測定自動化、さらにはマイクロアナリシスやIn-Situ観察・分析手法の進展も含めてSEMの有効性と将来像に関する議論の場としたい。

【キーワード例】

SEM画像解析、マイクロアナリシス、統合解析、SEM前処理技術、自動化技術、環境制御、In-Situ測定

【招待講演予定者】

Sarka Mikmekova(チェコ科学アカデミー)
黒澤 貴子(パナソニックホールディングス)

【発表構成】

一般演題、指定演題


IBM-8 プローブ顕微鏡 (AFM・STMなど)

走査型プローブ顕微鏡の装置開発から応用まで、最新の研究成果を広く議論する。高分解能・高感度・多機能化に向けた新規プローブや計測法の開発、二次元材料や機能性分子の原子分解能観察、生体試料の動態観察、界面活性剤やポリマーブラシなどの固液界面計測、理論計算との連携など、基礎から応用まで幅広いトピックスを対象とする。さらに、極限環境下でのその場観察や、電気・磁気・力学特性などの多次元物性計測、量子センサやプローブ増強分光法との融合など、新たな展開についても議論する。ナノテクノロジー・材料科学・生命科学の発展に資する本計測手法の可能性と展望について、活発な討論の場としたい。

【キーワード例】

AFM、SICM、SPM、プローブ顕微鏡、ナノピペット

【招待講演予定者】

小林 成貴(滋賀県立大学)
安 東秀(北陸先端科学技術大学)

【発表構成】

一般演題、指定演題


一般セッション材料系

M-1 無機材料・磁性材料・低次元材料

 本セッションでは、電子顕微鏡による鉄鋼・非鉄金属・セラミックス・磁性材料の組織観察および形態観察、格子欠陥イメージングに関する知見を広く取り扱う。最新の走査透過型電子顕微鏡(STEM/XEDS/EELS)やアトムプローブトモグラフィーによるナノクラスター・低次元材料に関する研究成果を招待講演者と議論する。X線吸収微細構造解析(XAFS)や走査透過X線顕微鏡(STXM)と電子顕微鏡を組み合わせる複合領域の顕微研究も奨励する。

【キーワード例】

鉄鋼・非鉄金属、格子欠陥、磁性材料、低次元材料、合金、セラミックス

【招待講演予定者】

宮本 吾郎(東北大学)
荒河 一渡(島根大学)
千賀 亮典(大阪大学)
西堀 麻衣子(東北大学)

【発表構成】

一般演題、指定演題