日本放射線看護学会第14回学術集会
  • 会期 2025年9月20日(土)・21日(日)
  • 会場 コラッセふくしま(福島市三河南町)
日本放射線看護学会第14回学術集会

日本放射線看護学会第14回学術集会

大会委員長挨拶

 令和7年9月20日(土)・21日(日)の2日間、福島県福島市のコラッセふくしまにおきまして「日本放射線看護学会第14回学術集会」を開催させていただくこととなりました。

 学術集会のテーマは、「温故創新 ~放射線看護のパラダイムシフト~」といたしました。「温故創新」は、日本の疫学研究の第一人者であった故重松逸造先生(1917~2012)が造語した言葉です。古きをたずねて新しきパラダイムを創設せよという意味を持ちます。放射線看護においてのパラダイムシフトは、医療の進歩と革新において重要です。放射線看護の専門領域を確立し、看護師が放射線の健康影響に関する専門的知識を持ち、高度な看護実践ができるようにすることが求められています。また、放射線技術は常に進化しています。看護師は最新の技術や診療方法について常に学習し、適切な知識を持ち、知識と技術の更新が求められます。放射線治療を受ける患者は不安や緊張を抱えていることが多く、また東京電力福島第一原子力発電所事故後の放射線の健康影響に対する不安を抱えている住民に対し、看護師は心理的サポートを提供する役割も担っています。放射線看護においては、温故創新の精神を持ちながら、新たなアプローチや技術を取り入れていくことが、質の高い看護ケアを提供するために重要です。

 福島は地震・津波・原発事故という複合災害に見舞われてから、来年で14年が経過します。国内外の皆さま多くの支援活動を受け、地域の復興が進められておりますが、まだまだ厳しい状況にあり、今後も引き続き住民の生活と健康を支えていく取り組みが求められております。

 本学術集会では、放射線看護の実践家や教育研究者の英知を集結し、活発な意見交換を通して、放射線に対するネガティブなイメージから、放射線の医療における有用性・有効性というポジティブなイメージへ変換したいと考え、基調講演、特別講演、トピックス、シンポジウム、ワークショップ、演題発表、交流集会等を企画し、多くの方々の学び多い学術集会となるように準備を進めております。また、福島の「今」を知っていただくとともに、被災地へも心を寄せて、すべての人々の幸せと健康に寄与できる学術集会となることを願っております。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

日本放射線看護学会第14回学集会 大会長
佐藤美佳(福島県立医科大学大学院医学研究科)
大会長写真