一般社団法人 日本LD学会 日本LD学会 第34回大会
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ほしのこ通信 Vol.13〜「心理教育的アセスメントの現在地」をとことん!〜

2025年10月24日配信

日頃より、本会の活動にご理解とご協力を賜りありがとうございます。
第34回大会について、ご案内申し上げます。
ほしのこ通信も今回でいよいよ最終回です。これまで目を通していただきありがとうございました。

今回は小林玄先生から教育講演の解説をしていただきます。ぜひオンデマンドでご覧下さい。

「心理教育的アセスメントの現在地」をとことん!
教育講演3講師 小林 玄(東京学芸大学)

 今回の大会で、オンデマンド配信での教育講演を心理教育的アセスメントのテーマでとご依頼を受けました。学校の先生方や心理職の先生方とお話する機会も多いのですが、アセスメントへの関心が深まる一方で、検査結果を十分に活用しきれないと悩まれている声も聞きます。教育講演では、これからの時代に向けての所感も交えながらお話いたしました。

 発達障害の子どもたちへの支援にアセスメントは欠かせませんが、その大切さは、現在、教育現場に浸透してきています。子どもの実態把握の基本は日頃の行動観察にあると思いますが、認知特性を深く理解するためには、検査の活用も重要です。アセスメントへの関心が高まっているこのタイミングで、数年前に日本版WISCの改訂版(WISC―Ⅴ)が刊行されました。

 WISC―Ⅴは、子どもの認知特性について様々な観点から情報を与えてくれるアセスメントツールとして改訂され、現場の期待も非常に高いと言えます。前版であるWISC―Ⅳでは4つの指標(知的能力の領域)で認知特性を測定していましたが、WISC―Ⅴでは5つの主要指標のほか、補助指標と呼ばれる指標も新たに5つ設けられました。さらにプロセス分析の観点も増えて、より多角的な実態把握が可能となっています。また、理論的基盤を強固にしてCHC理論との関連付けを整理したことで、KABC―ⅡとのXBA(クロスバッテリーアセスメント)アプローチによる実態把握もこれまで以上に厚みを増しました。これらのことから、現在、アセスメントは次なる段階に差し掛かっているのではないかと思われます。

 しかし、発達障害児へのアセスメントのこれまで(過去)とこれから(未来)をつなぐ「現在地」を考える時、単純に「よりグレードアップされたアセスメントツールが登場して良かった!」と手放しに喜んでもいられないとの思いも募るのです。得られたより多くの情報は、正しく解釈してこそ意味を成します。測定された認知特性が、日頃の子どもの様子のどの部分とどのように関連しているのか、或いは日常の観察だけでは把握しきれなかった情報はどの部分なのかをしっかり理解しなければ、検査を活用したことにはなりません。しかし検査結果の解釈力を身につけるための整備された研修システムが乏しい現在、検査者個人の研鑽に頼らざるを得ません。また、検査報告書を受け取り、その結果を指導計画に反映させていく役割を担う教育職も、検査結果の読み取り方や指導計画への繋げ方について学ぶ機会が不十分なままと言えます。

 今回の教育講演では、検査による多角的なアセスメントの紹介とともに、検査に関わる心理職等と指導に関わる教育職が尚一層連携することの必要性にも触れながら、実のある支援に向けて、アセスメントの現在地について語りました。ご一緒に、アセスメントの現在地から未来を考えていかれたら幸いです。

教育講演3(オンデマンド)
「心理教育的アセスメントの現在地」

講師:
小林 玄(東京学芸大学)

大会長からのお礼のことば

 皆様のご協力で、10月18日〜19日の2日間にわたる日本LD学会第34回大会(現地開催)が無事閉会いたしました。はじめてお会いする方々から「とても素敵な大会ですね」と言っていただき、本当にうれしかったです。参加者の皆様に楽しんでいただけるようにスタッフの皆さんといろいろと工夫したつもりです。ご参加いただいた皆様、ご支援下さった皆様、本当にありがとうございました。本大会は終わっても、子どもたちが「自分の学び方と出会う」ための応援はまだまだ続きます。子どもたちのためにそれぞれの場所で取り組んでまいりましょう。よろしくお願いします。

星槎大学大学院教育実践研究科 阿部利彦

オンライン会場公開中です

10月9日よりオンライン会場を公開しております。
早期・通常参加登録済みの皆さまへは、オンライン会場のお知らせメールを10月9日に10月7日時点でご登録のメールアドレス宛に運営事務局(jald-taikai34@conf.bunken.co.jp)よりお送りしております。
公開期間:2025年10月9日(木)~11月30日(日)

  1. オンデマンド配信のみの講演(教育講演、受賞者講演、自主シンポジウムJO-01~JO-05)
    配信期間:2025年10月9日~11月30日
  2. 会場+オンデマンド配信予定の講演(第1会場~第4会場、第13会場)
    配信期間:2025年11月下旬~11月30日

Web論文集を公開しています

閲覧Passは、会員および9月24日(水)までに大会参加申し込みと参加費の納入が完了された非会員の方には、9月24日(水)にメールにてご案内しております。

  • 閲覧Passの管理にはご配慮下さいますようお願い致します。

Web論文集はこちら

後期参加申込受付について

後期参加申込を10月9日(木)より受付開始いたしました。

申込期間:2025年10月9日(木)~11月19日(水)
後期参加費納入期限:11月19日(水)

  • お支払い完了後、オンライン会場からオンデマンド動画をご視聴いただけます。現在は、各講演の論文集原稿とオンデマンド配信のみの講演(教育講演・受賞者講演・自主シンポジウムJO-01~JO-05)の動画視聴、自主シンポジウム(オンデマンド発表)の質疑応答が可能です。
  • 第1会場~第4会場、第13会場で開催された講演のオンデマンド配信は、11月下旬頃の公開を予定しています。公開になりましたら、メールにてご連絡いたします。

後期参加申込はこちら

特別支援教育士資格更新ポイントと参加者のポイント申請について

本大会の参加者ポイントについては、資格更新ポイントのご案内ページからご確認ください。