公益社団法人日本顕微鏡学会 第79回学術講演会
  • 会期 2023年6月26日(月)~28日(水)  
    会場 くにびきメッセ(〒690-0826 島根県松江市学園南1丁目2番1号)

I. 顕微鏡技術 (装置・手法系)

I-1.先端的TEM・STEM・回折法

【協力分科会・研究部会】超高分解能顕微鏡法分科会

試料の構造情報を得る手段として電子顕微鏡内で結像法と回折法を使い分けた解析が旧来広く取り組まれてきた。その計測対象となる実空間像と散乱パターンは本来表裏一体な関係にあり、近年の電子顕微鏡関連技術の発展に伴って結像法と回折法の垣根は曖昧となっている。また、原子配列構造や位相分布など、同じ計測対象に対しての複数のアプローチが可能となり、適性に応じた選択が可能な時代となりつつある。本セッションでは、様々な先進的顕微手法について、手法原理や計測対象の垣根を取り払ったオープンな議論が行える場を提供する。

【キーワード例】

TEM/STEM観察手法(DPC,OBF, 4D-STEM等)、位相イメージング・位相検出(ホログラフィー、位相板、回折顕微法等)、回折法(CBED、ナノ回折等)、その他(X線顕微法、等)

【講演予定者】

村上 恭和(九州大学)
「電子線ホログラフィーの高感度化に向けた要素技術開発と触媒研究への応用」
宮田 智衆(東北大学)
「原子分解能STEMの高分子材料への応用」

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-2.先端的SEM法

【協力分科会・研究部会】走査電子顕微鏡分科会、SEMの物理学

SEMを中心とした顕微鏡技術の進展は著しく、像コントラストの解釈、その場観察(オペランド)技術、低真空・大気圧化、さらには様々な検出器の開発や画像処理技術の開発など、急速な技術変化がみられる。基礎学理の観点から産業応用まで含め、また材料系から生物・医療系、さらにはハード技術に至るそれぞれの領域での先端的技術の発表を募集する。

【キーワード例】

像解釈、検出器、その場観察 等

【講演予定者】

佐藤 馨(JFEテクノリサーチ)
小島 洋平(日本電子株式会社)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-3.先端的局所組成・状態分析

【協力分科会・研究部会】分析電子顕微鏡分科会

分析電顕の基軸となるEELS, EDS, SXES, CL等の分光学的手法や、X線、放射光や光などを用いた関連する分析技術について議論する。

【キーワード例】

EELS、XAFS、EDS、CL 等

【講演予定者】

三宮 工(東京工業大学)
「励起・発光位置同時分解4次元カソードルミネセンス」
柴田 基洋(東京大学)
「ELNES解析と予測への機械学習の活用」

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-4.3次元解析法

【協力分科会・研究部会】なし

各種顕微鏡を用いた観察・分析において2次元的な形態観察や元素分析およびその3次元構造の知見を得ることは非常に重要である。3次元的構造を明らかにする手法として、トモグラフィーや共焦点顕微鏡法などはよく知られている。このほかにも新しいアイデアとこれまでの手法を組み合わせた3次元観察・分析法が期待されている。本セッションでは次元解析に関する現状と今後を議論し、新しい顕微鏡法につなげていける知見を共有することを目的とする。

【キーワード例】

トモグラフィー、FIB-SEM 等

【講演予定者】

石川 亮(東京大学)
「深さ断層STEM法による3次元構造解析」
山﨑 順(大阪大学)
「収差補正TEMの位相コントラスト特性を活用した金属ナノ粒子の三次元分布計測」

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-5.プローブ顕微鏡法

【協力分科会・研究部会】走査型プローブ顕微鏡分科会

金属プローブやシリコンカンチレバーなどの探針を用いて材料や生物等の表面やその近傍の局所構造や物性を計測する手法について議論する。金属プローブやシリコンカンチレバーなどの探針を用いて材料や生物等の表面やその近傍の局所構造や物性を計測する手法について議論する。

【キーワード例】

AFM、STM 等

【講演予定者】

杉本宜昭(東京大学)
高橋 琢二(東京大学)
「光照射KFMによる太陽電池上での光起電力時間分解計測」
小林 圭(京都大学)
「時間分解EFM/KPFMによる有機トランジスタのキャリアダイナミクス評価」
長 康雄(東北大学)
「時間分解SNDMによる界面欠陥準位の可視化」
石田 暢之(物質・材料研究機構)
「KPFMを用いた局所インピーダンス計測法の開発と電池材料評価への応用」
菅原 康弘(大阪大学)
「高周波と低周波の交流バイアスを用いるケルビンプローブ力分光法」

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-6.試料作製技術

【協力分科会・研究部会】FIB技術先進システム研究部会、電子顕微鏡解析技術分科会

近年進捗著しいFIB技術やミクロトーム法、また 伝統的手法の上に改良の進むイオンミリングや化学的手法を含めた様々な試料作製技術について、顕微鏡観察を左右する試料作製技術としての位置づけを新たに見つめ、自動化や機械学習の取組なども含めた活発な技術進展の発表・討論の場としたい。

【キーワード例】

FIB、ミクロトーム、化学的手法 等

【講演予定者】

宮澤 知孝(東京工業大学)
「(仮)電解研磨法による電顕試料作製の基礎」

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-7.データ解析法

【協力分科会・研究部会】顕微鏡計測インフォマティックス研究部会

顕微鏡観察で得られるさまざまなデータの解析法に関するセッションである。顕微鏡像、回折図形、エネルギースペクトル等のデータ解析(多変量解析、機械学習、信号処理、ノイズ除去、画像認識、スペクトル分解、3 次元、4次元データ、時系列データ等)に関する演題を、材料系、生物系を問わずに、広く募集する。

【キーワード例】

多変量解析、機械学習、信号処理、ノイズ除去、画像認識、スペクトル分解、3次元、4次元データ、時系列データ等

【講演予定者】

野村 優貴(JFCC)
「テンソル分解法とスパースコーディングを用いた透過電子顕微鏡画像の圧縮センシング」
守屋 俊夫(KEK)
「クライオ電顕手法論の近年研究動向とKEKにおける高度化の取り組み」
他 調整中

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-8.装置開発・性能評価

【協力分科会・研究部会】なし

装置開発およびその計測システムに関する研究開発を横断的に議論できるセッションである。
TEM、SEMに限らない幅広い種類の顕微鏡に関わる技術や新規計測手法に関する、斬新な研究内容をご発表頂ける場としたい。

【キーワード例】

空間・時間高分解能化、電子銃、検出器、複合化、自動化 等

【講演予定者】

森本 裕也(理化学研究所)
「アト秒超高速電子線イメージングを目指して」
新井 康夫(KEK)
「SOI-CMOS技術を用いた電子顕微鏡用半導体イメージセンサの開発」
初井 宇記(非会員)
「直接検出型画像検出器:最近の進歩と理研の取り組み」

【発表構成】

一般講演、招待講演