第53回大会では、特別講演「第9回柳井レクチャー」を実施します。大会参加申込者は、無料で聴講できます。
柳井レクチャーは、2013年に逝去された故柳井晴夫先生の、行動計量学に関するご業績および学会へのご貢献を顕彰するため2014年11月10日開催の理事会にて創設が決定されました。柳井レクチャーでは、故柳井晴夫先生のご業績に鑑み行動科学における計量的方法の理論と応用について、講演者を毎年1名選出し、大会時に1時間程度の特別講演を行っていただきます。
- 日時:
- 2025年8月31日(日)15:30-17:30
- 場所:
- 専修大学生田キャンパス 2号館地下1階 A会場(LEARNING THEATER 201)
- 形式:
- 対面・オンラインリアルタイム配信(Zoomウェビナー)のハイフレックス型
- タイトル:
- 意識調査から読み取る日本人の素朴な宗教的感情とその周辺
- 講演者:
- 林 文(東洋英和女学院大学名誉教授)
- 司会者:
- 岡太 彬訓(立教大学)
- 概要:
- 1958年から日本人の国民性調査で「宗教を持っているか」とともに「宗教的な心は大切か」の質問がなされてきた。日本人で宗教を持っているという回答は徐々に減少しているが当初から3割強程度であり、西欧諸国から日本人は宗教がないとされ、日本人自身もそう認識していたが、西欧からみた無宗教とは異なることが、認識されるようになってきた。それが宗教的な心にありそれを示そうとするのが、国民性調査の最初の意図であった。信じる宗教とはいえない素朴な宗教的感情として存在し続けているのではないかと、いくつかの調査、小調査を通して探ってみた。試みてきた調査では、そうした感情を細かく分解するのではなく、一般の意識の中での現れ方から見ようとするもので、林知己夫先生の調査の考え方の一つではないかと考えている。林先生の数量化Ⅲ類もそうした考えでの解釈の手助けとして重要である。少し古くなってしまったが、国際比較調査や、首都圏の郵送調査とウェブ調査の比較調査などで、調査とデータの問題も考慮しながら読み取ってきたことを述べてみたい。