公益社団法人日本顕微鏡学会 第80回学術講演会
  • 会期 2024年6月3日(月)~5日(水)
  • 会場 幕張メッセ (〒261-8550 千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1)

幕張メッセ

I. 顕微鏡技術(装置・手法系)

I-1. 先端的TEM・STEM・回折法

【協力分科会・研究部会】超高分解能顕微鏡法分科会

試料の構造情報を得る手段として電子顕微鏡内で結像法と回折法を使い分けた解析が旧来広く取り組まれてきた。その計測対象となる実空間像と散乱パターンは本来表裏一体な関係にあり、近年の電子顕微鏡関連技術の発展に伴って結像法と回折法の垣根は曖昧となっている。また、原子配列構造や位相分布など、同じ計測対象に対しての複数のアプローチが可能となり、適性に応じた選択が可能な時代となりつつある。本セッションでは、様々な先進的顕微手法について、手法原理や計測対象の垣根を取り払ったオープンな議論が行える場を提供する。

【キーワード例】

TEM/STEM観察手法(DPC, OBF, 4D-STEM等)、位相イメージング・位相検出(ホログラフィー、位相板、回折顕微法等)、回折法(CBED、ナノ回折等)、その他(X線顕微法、等)

【講演予定者】

Peter Nellist(University of Oxford, UK)
遠山 慧子(東京大学)
麻生 浩平(北陸先端科学技術大学院大学)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-2. 先端的SEM法

【協力分科会・研究部会】走査電子顕微鏡分科会、SEMの物理学

SEMを中心とした顕微鏡技術の進展は著しく、時間分解、像コントラストの解釈、その場観察(オペランド)技術、低真空・大気圧化、極低加速、さらには様々な検出器の開発や画像処理技術の開発など、急速な技術変化がみられる。基礎学理の観点から産業応用まで含め、また材料系から生物・医療系、さらにはハード技術に至るそれぞれの領域での先端的技術の発表を募集する。

【キーワード例】

像解釈、時間分解、低加速、検出器、その場観察 等

【講演予定者】

森下英郎(日立製作所)
大塚岳志(日本電子)
関口隆史(筑波大学)
橋本陽一朗(日立ハイテク)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-3. 分析顕微鏡法

【協力分科会・研究部会】分析電子顕微鏡分科会

分析電顕の基軸となるEELS, EDS, SXES, CL等の分光学的手法や、X線、放射光や光などを用いた関連する分析技術について議論する。

【キーワード例】

EELS、XAFS、EDS、CL 等

【講演予定者】

斉藤 光(九州大学)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-4. 3次元顕微鏡法

【協力分科会・研究部会】なし

3次元的な構造を得る手法として、電子線トモグラフィ法、深さ断層法、単粒子解析法、FIB-SEM法、共焦点顕微鏡法などがある。本セッションでは、基礎原理の探求、新規手法の開発、既存の手法を用いた応用研究における幅広い議論を行うことにより、次世代の3次元顕微鏡への展開を目的とする。また、新展開を見据え、材料系と生物系の両方からの参加を広く募集する。

【キーワード例】

電子線トモグラフィ、深さ断層法、単粒子解析、共焦点顕微鏡法など

【講演予定者】

Yongsoo Yang(KAIST, Korea)
横山 武司(東北大学)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-5. プローブ顕微鏡法

【協力分科会・研究部会】走査型プローブ顕微鏡分科会

走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型イオン電導顕微鏡(SICM)などの走査型プローブ顕微鏡(SPM)に関する技術・装置開発や、それらを用いた生物学および材料科学分野におけるナノスケール研究に関する講演を広く募集する。

【キーワード例】

走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型イオン電導顕微鏡(SICM)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)

【講演予定者】

岩田 太(静岡大学)
横田泰之(理化学研究所)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-6. 試料作製技術

【協力分科会・研究部会】FIB技術先進システム研究部会、電子顕微鏡解析技術分科会

近年進捗著しいFIB技術やミクロトーム法、また 伝統的手法の上に改良の進むイオンミリングや化学的手法を含めた様々な試料作製技術について、試料作製中の物理現象の理解やシミュレーション技術によるアプローチ、また自動化や機械学習の取組なども含めた活発な技術進展の発表・討論の場としたい。

【キーワード例】

FIB、ミクロトーム、化学的手法、イオンミリング、イオンシミュレーション、自動化、等

【講演予定者】

坂口紀史(北海道大学)
伊井由花(日立ハイテク)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-7. 計測インフォマティクス・データ解析

【協力分科会・研究部会】顕微鏡計測インフォマティックス研究部会

顕微鏡計測によって得られる様々なデータの解析法に関するセッションである。顕微鏡像・回折図形・スペクトルデータ解析、情報科学を活用した手法開発、超解像画像生成、信号・ノイズ処理、画像認識、多次元データ、マルチモーダル解析などに関する演題を、材料系、生物系を問わずに広く募集する。

【キーワード例】

機械学習、データ駆動、4D-STEM、超解像技術、マルチモーダル解析、画像認識、スペクトル分解、信号・ノイズ処理、多次元データ等

【講演予定者】

鷲尾 隆(大阪大学)
清水 秀幸(東京医科歯科大学)
三石 和貴(NIMS)
永田 賢二(NIMS)

【発表構成】

一般講演、招待講演

I-8. 装置開発・性能評価

【協力分科会・研究部会】なし

装置開発およびその計測システムに関する研究開発を横断的に議論できるセッションである。TEM、SEMに限らない幅広い種類の顕微鏡に関わる技術や新規計測手法に関する、斬新な研究内容をご発表頂ける場としたい。

【キーワード例】

空間・時間分解能向上、電子銃、検出器、複合化、自動化 等

【講演予定者】

羽田真毅(筑波大学)

【発表構成】

一般講演、招待講演