公益社団法人日本顕微鏡学会 第81回学術講演会
  • 会期 2025年6月9日(月)~11日(水)
  • 会場 福岡国際会議場(〒812-0032 福岡県福岡市博多区石城町2-1)

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一般セッション 概要・招待講演者

IB-1 クライオ電子顕微鏡法

クライオ電子顕微鏡は構造生物学研究を支える解析手法として確固たる地位を得ており、生命科学・創薬科学への展開が盛んに行われている。特に生体高分子の構造解析のための単粒子解析はすでに技術としては円熟期に入っており、今後の技術開発の期待はクライオ電子線トモグラフィーへと移っている。また、有機低分子のmicroED、CLEM、新たな試料凍結装置の開発などトピックが多岐に渡っている。本セッションでは、クライオ電子顕微鏡法の最近の進展を俯瞰し、新たな手法によって得られた研究成果についても議論する。

【キーワード例】

単粒子解析、電子線損傷、分子構造、超分子複合体、ウイルス

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

仁田亮(神戸大学)

【支援担当者】

重松秀樹(SPring-8)

IB-2 相関顕微鏡法

相関顕微鏡法は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、X線顕微鏡などの複数の顕微鏡技術を組み合わせ、それぞれの特長を相補的に活用することで、より高精度で信頼性の高い知見を得るための先進的なアプローチである。その応用範囲は、生物学、材料工学、産業分野など幅広く、目的に応じた多様なワークフローが開発されている。特に生物学分野では、蛍光残存性と微細構造の保存性を両立するプロトコルの開発や、ボリュームSEMを用いた3次元空間での相関解析技術の確立により、現実的な手法として研究への応用が広がっている。一方で、広範なバルク試料から特定領域を選択・分析する手法や、組織内の微小領域における精密な相関観察においては、さらなる技術的工夫が求められている。本セッションでは、これらの最新技術と課題について情報を共有し、相関顕微鏡法の新たな可能性や応用の方向性を議論する。

【キーワード例】

CLEM、マルチモーダルイメージング、装置、ソフトウェア

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

太田啓介(久留米大学)、吉村安寿弥(山口大学)

IB-3 光学顕微鏡・時空間ダイナミクスイメージング

光学顕微鏡は生物系研究において広く使われているが、その空間解像度は長らく光の回折限界に阻まれ0.2 μmほどと細胞内の構造を観察するには十分とは言えなかった。しかし2014年ノーベル化学賞の対象となった超解像顕微鏡法の出現により、細胞内の構造や分子の分布を詳細に観察できるようになった。さらに検出器の高感度化や時間分解能の向上なども相まって生命現象をつぶさに捉える時空間動態イメージングも発展してきた。また顕微鏡や検出器だけでなく、柔らかく光にも弱い生物試料に様々な工夫を凝らすことで、かつては難しかった顕微鏡観察やイメージングも可能になってきている。本セッションでは生物系サンプルを観察する新しい顕微鏡技術やサンプル処理の工夫を紹介し、今後の可能性などについても議論したい。

【キーワード例】

蛍光イメージング、超解像顕微鏡、一分子イメージング、分子動態、多光子イメージング

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

池上浩司(広島大学)

IM-1 先端電子顕微鏡法

収差補正等の光学系の発展に加え、検出器の著しい進展により、ナノ・原子スケールでの構造に関する様々な解析が可能になりつつある。原子配列の直接観察だけでなく、位相計測・分光法と組み合わせることにより、構造と物性の関連性までも明らかになりつつある。一方、各種計測手法では一長一短があるのも事実であり、目的とする解析に合わせて計測手法を選択する必要性がある。本セッションでは、先端顕微鏡法の開発、装置開発、材料への応用研究を中心とした議論の場を提供する。また、若手研究者の積極的な参加を促進し、交流の場を提供する。

【キーワード例】

DPC、OBF、4D-STEM、CBED、ナノビーム電子回折、ホログラフィー、タイコグラフィー、回折顕微法、位相・波面の操作

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

石川亮(東京大学)

【支援担当者】

谷垣俊明(日立製作所)、大島義文(北陸先端科学技術大学院大学)

【協力分科会・研究部会】

超高分解能顕微鏡法分科会

IM-2 材料系試料作製技術

近年進捗著しいFIB技術やミクロトーム法、また伝統的手法の上に改良の進むイオンミリングや化学的手法を含めた様々な試料作製技術について、顕微鏡観察を左右する試料作製技術としての位置づけを新たに見つめ、また自動化や機械学習の取組なども含めた活発な技術進展の発表・討論の場としたい。

【キーワード例】

FIB、加工位置決め(EBSD等)、ミクロトーム、化学的手法、ダメージ除去、微細加工

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

加藤丈晴(JFCC)

【支援担当者】

和田充弘(三井金属鉱業株式会社)、杉山昌章(大阪大学)

【協力分科会・研究部会】

電子顕微鏡解析技術分科会 および FIB技術先進システム研究部会

IMB-1 装置開発・性能評価・技術応用・遠隔技術

装置開発およびその計測システムに関する研究開発を横断的に議論できるセッションである。また近年要求が増加している遠隔操作・遠隔観察の技術やその運用などに関しても議論する。TEM、SEMに限らない幅広い種類の顕微鏡に関わる技術や新規計測手法またそれらを運用するファシリテーションに関する、斬新な研究内容やその成果をご発表頂ける場としたい。

【キーワード例】

電子光学、電子銃、空間・時間高分解能化、検出器、Tele-microscope、自動化、遠隔、ネットワーク、試料ホルダー、複合化

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

奧西栄治(日本電子)

【支援担当者】

樋田一徳(川崎医科大学)、市川聡(大阪大学)

【協力分科会・研究部会】

Network Tele-Microscopy研究部会

IMB-2 走査電子顕微鏡法

SEMに関わる技術革新は、低真空・大気圧、低加速電圧、その場観察(オペランド)技術、またクライオ技法や様々な検出器の開発、さらには像コントラストの解釈から画像解析技術の開発など、非常に多岐に渡るとともに、急速な発展を見せている。基礎研究から産業応用、また物質・材料系から生物・医学系、さらには周辺機器も含めたハード技術開発まで、それぞれの領域での先端的SEMに関する発表を募集する。

【キーワード例】

先端的SEM、クライオSEM、低真空SEM、低加速電圧SEM、SEM-EDS/EDX、SEM観察法、SEM用試料作製、SEM検出器

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

宮澤敦夫(兵庫県立大学)、波多聰(九州大学)、豊岡公徳(理研)

【支援担当者】

豊岡公徳(理研)、関口隆史(筑波大学)

【協力分科会・研究部会】

走査電子顕微鏡分科会 SEMの物理学 生体解析分科会

IMB-3 分析顕微鏡法

微小領域での元素組成、化学結合状態、電子状態の計測やこれらの実空間分布解析は、材料物性の起源の解明や、生物の代謝・機能発現機構の解明など、材料科学から生物科学まで様々な分野の研究における重要な課題である。本セッションでは、顕微鏡技術を基盤とした分光・分析手法に関する幅広い研究を募集する。具体的には、EELS、EDXS、SXES、CL、SIMSなどの分析法、その他の顕微計測技術や解析手法、それらの応用研究について議論する。

【キーワード例】

EELS、EDXS、SXES、CL、SIMS、元素・組成分析、化学状態解析、マッピング(イメージング)、解析法、分光法

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

佐藤庸平(東北大学)、竹内美由紀(東京大学)、太田啓介(久留米大学)

【支援担当者】

坂口紀史(北海道大学)

【協力分科会・研究部会】

分析電子顕微鏡分科会

IMB-4 多次元・マルチスケールイメージング

顕微鏡による分析において対象を正確に評価するには、多次元・マルチスケールの情報を取得し、構造や分布をより包括的に測定することが求められる。本セッションは、様々な試料作製法・装置開発・顕微鏡法・データ解析法によって実現する多次元・マルチスケールイメージングについて、分野を超えて情報を共有することで、新たな発想を誘起することを目的とする。

【キーワード例】

3次元計測、マルチモーダル3Dイメージング、マルチスケールイメージング、トモグラフィー、FIB-SEM、SBF-SEM、アレイトモグラフィー、連続切片作製法、3D再構成法、3Dセグメンテーション

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

吉村安寿弥(山口大学)、山﨑順(大阪大学)、山本知一(九州大学)

【支援担当者】

太田啓介(久留米大)

【協力分科会・研究部会】

多次元相関顕微鏡研究部会

IMB-5 プローブ顕微鏡法

走査型プローブ顕微鏡の装置開発からアプリケーションまで、この分野における最新の研究成果を広く議論する。高分解能・高感度化に向けた新規プローブ設計や計測技術の開発、二次元材料や機能性分子の原子分解能イメージング、生体試料の動的観察、理論計算との連携による測定データの解釈など、基礎研究から応用研究まで幅広いトピックスを対象とする。さらに、極限環境下での「その場観察」技術や、電気・磁気・力学特性などの多次元物性マッピング、プローブ増強分光法との融合など、新たな展開についても議論を深める。ナノテクノロジー・材料科学・生命科学の発展に資する本計測手法の可能性と展望について、活発な討論の場としたい。

【キーワード例】

SPM手法、AFM、STEM、環境制御SPM、SPM分析、バイオ計測、SPM試料作製法、SPMデータ解析手法

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

阿部真之(大阪大学)

【支援担当者】

内橋貴之(名古屋大学)、井藤浩志(産業技術総合研究所)

【協力分科会・研究部会】

走査型プローブ顕微鏡分科会

IMB-6 生物試料・液状試料の作製技術

微粒子分散液(インクなど)、液体を含有する固体(含液ゲルなど)といった液状材料は、特性と微細構造が密接に関連している。クライオ電子顕微鏡は、液状材料の微細構造を直接可視化できる手法として期待される一方、液状材料特有の観察上の課題も存在する。本セッションは液状材料の微細構造可視化の現状や今後について、生物分野と材料分野の知見・視点をもとに、領域横断的に議論できる場としたい。

【キーワード例】

液状材料、ゲル、微細構造、クライオSEM、クライオTEM、クライオ電子顕微鏡、凍結技法、CEMOVIS、切片作製法、試料作製

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

高橋真一(兵庫県立大学)、宮澤敦夫(兵庫県立大学)

【協力分科会・研究部会】

液状材料の微細構造研究部会、生体解析分科会

IMB-7 計測インフォマティクス・データ解析

顕微鏡計測によって得られる様々なデータの解析法に関するセッションである。顕微画像・回折図形・スペクトルデータなどの各種データの解析手法、深層学習、機械学習、多変量解析、ベイズ推定などの情報科学的手法を活用した解析法、超解像技術、ノイズ除去、セグメンテーションなどの画像処理、数理モデルやデータ同化を用いた情報抽出などに関する演題を、材料系、生物系を問わずに広く募集する。

【キーワード例】

深層学習、機械学習、多変量解析、画像処理、ノイズ除去、べイズ推定、スペクトル解析、セグメンテーション、数理モデル解析、データ同化

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

山本知一(九州大学)

【支援担当者】

齋藤晃(名古屋大学)

【協力分科会・研究部会】

顕微鏡計測インフォマティックス研究部会

AB-1 微生物

微生物が構築する多細胞組織様構造であるバイオフィルムを、各種顕微鏡観察技術や他の技術を組み合わせアプローチする演題を広く募集する。

【キーワード例】

ウイルス、バクテリア、酵母、カビ、粘菌、分子マシナリー

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

太田啓介(久留米大学)

【支援担当者】

宮崎直幸(大塚製薬)、佐藤主税(産業技術総合研究所)、高橋知里(産業技術総合研究所)

【協力分科会・研究部会】

微生物顕微鏡分科会

AB-2 オルガネラ・細胞・組織

細胞・組織(動物および植物等の細胞、細胞小器官、細胞内構成要素、細胞外基質を含む)の構造や生命現象を研究対象とし、一般的な光学ないし電子顕微鏡観察から様々な先進的顕微鏡・イメージング技術まで広く演題を募集する。

【キーワード例】

培養細胞、オルガノイド、動物、植物、細胞小器官、細胞骨格、膜、細胞間質

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

若山友彦(熊本大学)、澤口朗(宮崎大学)

AM-1 材料組織観察・構造解析

無機構造材料・機能材料・デバイス材料(金属、半導体、セラミックス、磁性体、誘電体等)について、種々の顕微鏡法による材料微細組織解析・構造解析・分析に関する演題を広く募集する。新規のみならず伝統的手法を用いた応用研究結果について、横断的に議論できる場とする。

【キーワード例】

材料組織、構造欠陥、界面・粒界、偏析、電池、セラミックス、金属、磁性体、半導体、誘電体

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

波多聰(九州大学)、山本和生(JFCC)

AM-2 ナノ・二次元材料

ナノ材料、微粒子、一次元または二次元材料、さらには表面を対象とするナノ・二次元材料は、バルク材料とは異なる特異な構造、物性、機能性を示し、エネルギー、環境、医療、情報技術など多岐にわたる分野での応用が期待されている。本セッションでは、これら低次元材料を対象に、さまざまな顕微鏡法を活用した組織、構造、機能の観察および解析手法や、それらの応用研究について議論を行う。

【キーワード例】

ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ、グラフェン、層状物質、触媒、デバイス、表面・界面、自己組織化

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

佐藤庸平(東北大学)

【支援担当者】

和田充弘(三井金属鉱業)

【協力分科会・研究部会】

電子顕微鏡解析技術分科会

AM-3 ソフトマテリアル

現在機能的な先端材料において、高分子・液晶・ゲル・エマルションなどソフトマテリアルが用いられている。これらソフトマテリアルの特性評価においてその構造や元素組成、化学結合の知見を得ることは非常に重要で顕微鏡が活躍している。本セッションでは、これらソフトマテリアルに対する顕微鏡を用いた観察や計測に関する現状と今後を議論し、新しい顕微鏡法につなげていける知見を共有することを目的とする。

【キーワード例】

高分子、液晶、ゲル、エマルション、バイオマテリアル、ダメージ抑制、複合材料、観察技術

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

奧西栄治(日本電子)

【支援担当者】

陣内浩司(東北大学)

【協力分科会・研究部会】

ソフトマテリアル分科会

AM-4 その場観察・局所物性計測

材料に熱、力、光、電場、磁場、電子線などの外部刺激を加えたときの構造および物性変化を動的に捉えるその場観察・局所物性計測は材料研究において非常に強力な手法である。近年では、真空中だけでなく、気体・液体中における計測技術も著しく発展している。本セッションでは、その場観察・局所物性計測の手法開発やその応用に関する研究について議論する。

【キーワード例】

ガス雰囲気、液中、電気化学反応、変形、高温・低温、電場・磁場印加、応力印加、光照射、電子照射

【講演予定者】

確定次第、随時掲示

【発表構成】

一般演題、指定演題

【担当プログラム委員】

山本和生(JFCC)

【支援担当者】

吉田 要(JFCC)、松田潤子(九州大学)

【協力分科会・研究部会】

その場観察分科会